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【30代に響く】10代の頃に聞いた音楽を、一生口ずさむ私。

“10代で口ずさんだ歌を、人は一生、口ずさむ。”


これは2009年に放映された、SONY ウォークマンのCMのキャッチコピーだ。


ガッキーがウォークマンで音楽を聴きながら、モンパチの「小さな恋のうた」を口ずさんでいるこのCM。
放映当時は見たことがあるようなないような、あいまいな記憶だけどそこまで印象に残っていない。
最近なぜかYoutubeでこのCMを見ることがあり、改めて見ると一瞬でその通りだと思わされるそのシンプルな言葉に、心奪われた。

本当に秀逸なコピー。

30代となった今、音楽を聴いて「そうそう、そうなんだよ・・えっ、これ私のこと歌ってる!?」と、歌詞に共感することなんてほとんどない。
ましてや結婚してこどもも生まれてしまうと、恋愛ソングなんてもはや他人事。

「あなたの気持ちがわからない、私のことどう思っているの?」とか「会いたくて会いたくて震える」とか「めちゃくちゃ好きやっちゅうねん月曜日も火曜日も」とか、どう頑張っても“いま”そんなふうに思う相手はいないのだ。

無理やり家族に当てはめてみても、気持ちがわからなくて切なくなんてならないし、ずっと一緒にいるし、目が合うだけでドキドキなんてしない。

恋愛だけじゃなく、友情ソングや夢の応援ソングもあるけれど、やっぱり今はそこまで響かないのだ。なぜだろう。


でも、私も10代の頃はバリバリに「そうそう、そうなんだよ・・えっ、これ私のこと歌ってる!?」と思いながら音楽を聴いていた。


サブスクが溢れる今の時代、音楽を聴くという行動自体はグッと身近になり、Youtubeを開けば好きな曲はタダで聞けるし、どこの誰か作ったわからない「作業用リスト」だってたくさん溢れている。

頼んでいなくても次々と関連動画が再生されて。

好きを発見しやすい、いい時代なのかもしれないけれど、私はあの、発売日にCDを買って歌詞カードを見ながらニヤニヤしたり、借りてきてたアルバムをMDに落としてラベルを作ったり、ラジオから流れる新曲をタイミングよく録音することに集中する、あの時代がよかったよなとも思う。


私にとって青春時代に聴きまくったアーティストといえば、
19にはじまり、aiko、ゆず、HY、ケツメイシ、MINMIが特に多い。

だけど、特別大ファンというアーティストじゃなくともよく聴いてよくカラオケで歌う(踊る)歌というのはたくさんある。本当にたくさん。
聞くだけでピンポイントに脳内で情景が思い出されてしまうような曲、みんなもない?

いまも決まって、ふとした瞬間に口ずさんだり鼻歌を歌ってしまうような曲はいわゆる懐メロだ。
歌詞を見なくたって、すっかり脳に焼き付いているようでちゃんと覚えている。

ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー~これができたら100万円~の人気コーナー「歌詞を見ずにカラオケ一曲歌いきったら100万円」がもし今できるとしたら、私はゆずの「サヨナラバス」を選ぶかな。
いや、kiroroの「best friend」もいけるな。aikoの「花火」も。


広く浅く音楽を聴いていた私がぱっと思い浮かんだ、よく聴いていた青春の曲をつらつらと綴ってみる。

君にBUMP / ケツメイシ
ケツノポリス1~5あたりまでとてもよく聴いていた。1曲に絞るのは難しいけど、これはノリが夜のテンションを上げてくれる感じが好き。羽賀研二がディスコで踊りまくるMVも良き。「わすれもの」も同じ理由で好き。夏の暑い夜に聴きたい。

キミはともだち / 平井堅
「俺~がついてるぜ~♪byトイストーリー」じゃない方の、キミはともだち。平井堅の声のハーモニーが最高のやつ。相棒のような友達について歌った曲で、ちょっと照れくさい歌詞もKENが歌えばクサくなくなる。かっこいい。

シャナナ☆ / MINMI
MINMIといったら私の中でコレ!カラオケでもよく入れてたけどみんな一緒にウェーブしてくれていた、いい思い出。あとしばらく私の携帯の待ちうた(コールのときに相手に聞かせる音楽)に設定してたから、「もしもし」と出ると友達が“シャナ ナナナナナ~♪”と歌っていることもしばしばあった。ああ懐かしい。

My Way / Def tech
デフテックの代表曲。忘れもしない高校3年の支笏湖遠足という名のただただひらすら長距離を歩き続ける遠足で(地元札幌)、親友とふたりで全校生徒1000人近くいる中で本当の正真正銘のビリになり、歩いても歩いても全くゴールが見えないときに、奮い立たせるために携帯でかけて聴いていた曲。絶望なMY WAY。これ聞くと地獄の山道を思い出す。でも悪い思い出ではない。

純恋歌 / 湘南乃風
もうこれはピアノのイントロを聴いただけで出だし2秒で「うぁああ~~」ってなる人も少なくないはず。「美味しいパスタつくったお前」のワードが印象的でなんか言いたくなる。「~歌」シリーズで睡蓮歌、応援歌、曖歌、なんかもある。タオルを頭に巻いてHAN-KUNの真似する奴もいた。

hard to say / Crystal Kay
Crystal Kayってむかし結構流行ってたよね?「週末のパーティーは大騒ぎ♪」って謎の男性のラップからはじまるこの曲はMDの1曲目に入れてテンション上げてた。MDて…。

shake it up / 倖田來未
先日、急っに「そういえば倖田來未ってむかし12週連続CDリリースしてた時あったな〜」と唐突に思い出して、検索してみたら全部覚えてた。私、意外と倖田來未すごい聴いてた。倖田來未がカラフルな民族衣装に身を包んだジャ写も懐かしい。その中でもこの“おいおいーお♪朝が来るまで♪おいおいーお♪”の歌詞が忘れられない。

月灯りの下で / MONGOL800
こないだ同世代の人とモンパチのアルバムについて、"モノクロの昔の風景みたいなジャケットのやつと、カラフルなドットがいっぱい並んだやつの2つ持ってた"って話で「全く同じ!」と盛り上がった。これはモノクロのやつに収録されている、途中の曲の転調が面白い1曲。思わずハモりたくなる。ハモりを歌ってるのか主旋律を歌っているのかわからなくなる、モンパチあるある。

NAO / HY
HYといえばもう「思いが届かない系片思いソング」の代表曲がいっぱい。あなた、song for、366日も捨てがたいけど、NAOは学校祭の帰りに川辺の土手に寝ころびながら友達と一緒に聴いて泣く、っというベッタベタの青春の思い出があるので選んでみた。叶わない恋してる乙女は「これ私の状況に当てはまりすぎ」と誰しもが思っていたのでは。

こいのうた / GO!GO!7188
私、失礼ながらGO!GO!7188が何人組なのかも知らないし、メンバーの顔も名前もわからないんだけどこの曲は好きで(むしろこの曲以外は知らない)。ザ・青春の恋の切ない歌って感じ。片思いしてる自分に酔っちゃうような恥ずかしさまでも思い出す。ヒット曲ってこういう単発的な思い入れがあることもあるよね。

let go / m-flo loves YOSHIKA
カラオケで歌うときラップのとこは難易度高過ぎるので聴き入ることに徹してサビから歌い出すタイプの曲。私、これも待ちうたに設定してた。呼び出し中、相手どんな気持ちだったんだ。どんな感情で待てばいいんだ。

Last Smile / LOVE PSYCHEDELICO
調べたら2000年リリースだったので私も10代なりたてだった。でも多分中学生の時にラジオとかでよく流れていたのを聴いていたんだろう。小学生~中学生はラジオっ子だったから。毎日ラジアンリミテッドからのジェットストリームコースだったから。ラブサイケデリコは私の中でラジオで耳にした曲。憂鬱なるスパイダーも、Your songも。

M&A / EXILE
これを言ったら時代遅れ感すごいんだけど、私の中でEXILEはまだSHUNとATSUSHIなんだ。3代目なんちゃらはもう知らない世界なんだよ。
羽1/2、kiss you、song for youがリリースされてた頃のあたりすごい名曲揃いだと思う。M&Aの歌詞で「君がいるからどんなに辛くても幸せと言える」「僕が君の傘になると誓うよ いつまでも信じていてほしい」ってプリ帳に落書きしてたの今思い出して恥死。絶対書いてた。326みたいにイラスト書いてその横に書いてた。

明日への扉 / I wish
あいのりの曲。こんな十何年経っても「いつのまにか~隙間空いた~心が~満たされてく~♪」ってすぐにフレーズが出てくる。あいのり、一時期見てただけだったけどヒデだけずっといたのは覚えている。まちゃみと加藤晴彦のリアクションもセットで楽しんでいたな。加藤晴彦元気かな?


趣味が違う人や、音楽好きの人にはまったく刺さらないラインナップだっただろうけど、あー聴いてた!好きだった!って曲あったでしょうか。まだまだあるけど、絶妙な選曲になったな。

よくあるヒットソングだけじゃなくて、自分だけの思い出が乗っかった特別な歌。

それを大人になってから聴くと、
放課後の教室、バイト明けの帰り道、学祭の準備、寄り道したファミレス、当時の恋愛・・むずがゆくなるような不思議な感情までも呼び起こされるような感覚になる。

J-POPだけじゃなくて、中学の合唱会の課題曲とかも「うわぁああああ」ってなりません?Youtubeとかで聴くと、本番の緊張感や賞取れなかったときの空気も思い出せる。もう20年も経っているというのに。



なんで、昔も今も同じように素晴らしいアーティストや名曲が生まれているのに、昔の曲の方がグッとくるんだろう。

それはきっと多感な10代だからこそ、自分ごとのように考えて歌詞が入ってくるからなんだろうな。憧れの世界を想像したり、悩みを歌に吹き飛ばしてもらったり、カラオケで友達や好きな人と歌って特別な一曲になったり。そんなキラキラした記憶が蘇ってグッとくるのかもしれない。

大人になると、悩んでもうまく生きていく術を身につけてしまって、対処の仕方もわかってくる。歌を聴いて励ましてもらったりしなくても、自分でどうにかなる。ちょっと寂しいような気がするけど、大人になってから好きになる曲と青春を彩った曲の扱いはやっぱり違う。

どちらが悪いとか良いではなく。

音楽って、ふわっと吹く春風のように心地よく記憶を蘇らせてくれる。

よく、五感の中で一番記憶と直結しているのは嗅覚で、聴覚は一番初めに忘れてしまう、なんてことを聞く。
でも、そうでもないのではと思う。

元彼や当時の先生の声なんて覚えちゃいないけど、青春ソングだけは音楽の力というのをなんとなく感じる。

だから私はやっぱり懐メロが好きだ。


忙しい毎日に、ちょっと立ち止まってあの頃聴いていた曲を流し、懐かしんでみるのはいかがでしょう。

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