歩いていたら秋色になる (Part3)~おやつではしゃぐ秋の日~
【Day4】
窓をあけたら天気がいい。今日も今日とて散歩に出かけてみよう。
洗濯ものがよく乾きそうな予感。
何日かかけて自分なりの「ご近所お散歩コース」を開拓してみたのです。
しかしわたしは何の自慢にもなりませんが、他の追随をゆるさない自他ともに認めるかなりの「方向音痴」。
引っ越してからしばらく経つけれど、仕事と買い物へは車で行っていたし、仕事していた頃は時間に追われ、散歩はしたことがなく、(言い訳三昧)ご近所の細い小道はまったく知らなかった。
騙し騙し引っ越しを機に、隠し通せるとおもって生活してきた…。
しかしご近所を散歩して、方向音痴の本領がいかんなく発揮されるときが来てしまった。
日々、迷子になりながら「ご近所お散歩コースマップ」を頭の中で作成してみた。
「方向音痴がつくる地図」ほどあてにならないものはなく、何度もぐるぐる同じ垣根の周りをまわった。おしっこをしたい前のワンちゃんなのかと思う程、くるくるまわった。
お家の方に不審者だと思われないうちに、家にかえってGoogleマップで近所を確認して、この道は行き止まり。あの道は最短ルート。などと、再度確認して2度と同じ過ちは繰り返すまいと誓った。
そんなわたしが目印にしている、小さな小さな公園がある。
旦那さんと一度だけ「鉄棒しよう」と一緒にきたことがあった。大人げなく逆上がりしようと、笑いあった公園。
わたしは思い出を辿りながら、いつもそこを目指して歩く。
帰り道は新しい道の開拓しようと野心に燃える。
方向音痴なのに、なぜいつも自信満々なのかわからないけれど。散歩道はいつもさみしくない。
【Day5】
散歩と称した近くのスーパーへの買い物。いつものように、てくてく歩く。
お目当ての白菜がとても安いけれど、思いのほかずっしりとした重量感の巨大な1玉をかかえてかえる勇気がなかった。
かなしいが白菜を横目においしそうなさつまいもコーナーへ行く。
「干し芋食べたい」→「シュークリーム食べる」→「焼き芋たべたい」と欲求が変わっている。
いつになったら干し芋へたどり着けるのでしょうか。
まずこのお芋さんをおいしく食べきらねば…
【Day6】
今日も公園をめざして出発。
まだまだ元気な緑色の植物もいる。
樹木によってはまだまだ鮮やかな緑色をしている、枯れ木の横の緑色の樹木をみると、色の違いに吸い込まれそうになる。自然の不思議さを感じる。
迷いながらみつけた「ご近所お散歩コース」をとっても気に入っている。
午前中に行くとだいたい日当たりがよくて、歩いているうちにカラダがぽかぽかしてくる。
わたし日向が好きなのかな…?
そういえば母が言っていた。
わたしが2、3歳の頃。母が内職中、ひとり遊びをしていたはずのわたしがいない。「どこに行ってしまったのか」…と家中さがすと、日向ぼっこしいていたそうだ。実家の庭は猫の額ほどの小ささで、そこの石台の上に座布団をもっていき敷いて、体をまるめて猫のように日向ぼっこしていたらしい。
秋が過ぎて冬がくると大好きなものがひとつ、おあずけされてしまうような気がする。
そんな寂しい気持ちは、あったかい肉まんに癒してもらおう。
歩いて食べて、やっぱり今日も心も体も秋色に染まっていく。
冬はもうすぐ、そこかな。