2024年1月 読書
1,今日はいぬの日/倉狩聡
人語を話す犬が今まで虐待してきた人間たちに対し蜂起する…とざっとあらましだけを見れば、トンデモな作品にしか見えない。だけど最後まで読むと上手いこと丸めこまれて不思議と感動してしまう。ひぐらしのyouが脳内再生される。
前作も人語を話すカニだし、動物を対等の存在として扱うのが好きなのかな。おすすめです。かにみそとこの作品の2作しか書いてないらしいので、非常にもったいないと感じる。
2,ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~/三上延
脱ラノベを掲げた文庫だった気がするんだけど、メディアワークス文庫を久しぶりに読むとラノベ寄りすぎると感じた。作者のあとがき文化なんて考えてみたらライトノベルくらいしか無いから懐かしさがこみ上げてきた。内容はわりと面白いくらいで、特にこれと言って語ることもない。
こういう文豪の作品を引用する作品を見るたびになんで通ってきてないんだろうと悔しくなる。じゃあ今から読むかと言われるとそうではないので、かまいたちのトトロ見たことない状態だ。詳しくもないくせに文豪ストレイドッグスみたいなのに対してはなんとなく忌避感を覚える。まったく嫌な奴だと思う。
3,スクラップアンドビルド/羽田圭介
なんか、なんだろうな。何とも言えない小説だった。誰も彼も全ては隠しておけない傲慢さが滲み出る。おじいちゃんへの当たりが中々キツくて読んでてちょっと辛くなった。実際のところ家族介護はこういうものなのかもしれない。
純文学というジャンルそのもの性質ももちろんあると思うが、投げっぱなしのまま終わるのは現実に起きている問題もまた一区切りなどなく、ただひたすらに地続きであるということを示しているように思った。
4,ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~/三上延
5,ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~/三上延
3巻まで読んで強く感じたのですが、やっぱりライト文芸って一般文芸の雰囲気のソレとは一線を画すものがありますね。ヒロインの胸元がゆるくて見えそうになる描写をたまに挟んできてこれ要る?とずっと思っていました。
甘露寺蜜璃に怒るフェミニストの気持ちがなんとなくわかったような気がします。確かになんか気持ち悪いかもしれんね。キッズたちにはたまらないんだろうが。