2023年10,11月 読書
26,アサッテの人/諏訪哲史
芥川賞作品ってこんな尖ってていいんだ。僕の少ない語彙力では全く感想を思いつかなかったので、実際に読んでみてください。テキトーに言ってしまうと実験小説であり、メタ小説です。物語性などは皆無で、激しく好き嫌いが分かれると思います。僕は好きですね。
この作品がベースで次作の『りすん』に繋がります。僕はりすんの方が好きでした。りすんの感想の方は以前書いています。
https://note.com/ma22741/n/nfa463f32d3dd
27,かにみそ/倉狩聡
かなり好みだった。表紙のポップさとあらすじのB級ホラー映画っぽさにまんまと騙された。主人公がカニのおかげで社会性を獲得していくが、その引き換えとしてだんだんと狂気を発露していく。
『寄生獣』や『ファイト・クラブ』、今まで見てきた作品たちが脳をよぎり、集約していく感覚がした。後にも先にも人食いカニだなんて突飛なテーマでしんみりさせられることはないでしょう。
もう一つの収録作品の『百合の火葬』も良かった。著者はこの作品含め2作しか書いていなくて非常に勿体無く感じる。かなりおすすめ。
28,聖なるズー/濱野ちひろ
マジでずっとセックスって単語出てくる。着目するところ絶対そこじゃないとは分かってるけど、ゲシュタルト崩壊起こすくらい出てくる。なんとなく動物がセックスを誘ってくるのが分かるらしいですよ。信じらんないね。
サイズ感的に犬と馬がパートナー候補として圧倒的に多いそう。動物性愛者は自らを『ズー』と呼ぶそう(ズーファイル・ズーフィリアの略称)。その中でも「ズー・ゲイ」、「ズー・レズビアン」などさらに細分化される。挿入する・される側もある。分からない世界すぎる。
一般的に人間を性の対象にするのと変わらない感覚でいるのだろうと感じ取れるものの、正直言って受け入れることはできないかなと感じました。嫌悪感を抱くのも無理ない内容であんまり進んで読んでほしいとは思わない内容でした。