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読後寸評

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読んだ本で感じたことを綴っています。 好きな作家はラディゲですが、最近よく読むのはジェンダー論。A4用紙1枚程度で、800〜1000字程の感想文です。
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2024年1月の記事一覧

三島由紀夫がラディゲに対抗した小説「獣の戯れ」

三島由紀夫がラディゲに対抗した小説「獣の戯れ」

本(獣の戯れ)

三島由紀夫の長編小説で、昭和36年6月から9月まで13回に渡って週刊新潮に連載され、その後単行本として出版されました。「文豪ナビ 三島由紀夫」ではこの小説を、フランスの小説家ラディゲに対抗した作品との解説があり、その影響を受けたとも書いてあります。

個人的にも大学生の頃、当時女子大生の間でラディゲブーム(多分)が起きており、私も読んでみましたが「ダイヤモンドのような硬質で華麗な

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建築を深読みできる入門書「教養としての建築入門」(^^)

建築を深読みできる入門書「教養としての建築入門」(^^)

本(教養としての建築入門)(長文失礼します)

そのタイトル通りの建築入門書ですが、「教養」と冒頭につくのが単なる入門書には留まらない内容となっています。私自身も大学の建築学科を卒業後、建築業界や不動産業界の建築部門に長く従事してきましたが、これまでの復習も兼ねて読んでみることにしました。

筆者の坂牛卓さんは現役の建築家で、内容は第一部・鑑賞論-建築の見方、第二部・設計論-建築の作り方、第三部・

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ドイツ人ではない画家志望だったヒトラーの実像に迫った本「ヒトラー」

ドイツ人ではない画家志望だったヒトラーの実像に迫った本「ヒトラー」

本(ヒトラー)(長文失礼します)

ヒトラー(1889~1945)の生い立ちから死後のヒトラー現象までを時系列的に分析し、ヒトラーの人物像の全体を考察した本です。筆者の芝健介さんは、長年ナチス・ドイツを研究してきた歴史学者です。
この本を読もうと思ったのは、話題の本「ナチスは「良いこと」もしたのか?」を読んだ後、関連本を読みたくなり、本屋さんで見つけて参考資料として読み始めた次第です。 

オース

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