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インタビューは「チャンバラ」である。

どれほどの人が、わかっているだろうか?

人に話を聞いて、文章を書くのは、ライターの基礎技術だ。
そして、インタビューはチャンバラである。
といっても、刀じゃない。相手を倒すのが目的じゃないから。
ただ、切り込まなきゃいけないという点では、同じだ

ライターは、たとえば「あなたの仕事術」というテーマで、ちょっと有名な人に話を聞く仕事があったとする。編集者やクライアントから、こういう質問をしてくれ、と質問例を渡される。

取材相手(インタビュイーとか、最近知ったカタカナ言葉は使わない!)も、テーマと、質問案まで聞いている場合がある。たぶん、今ネットでは、こんな感じのお仕事が多いのだろう。

でも、最近思うのは、ネットで見る
「インタビュー記事がつまらない」
ということだ。


たぶん、チャンバラをしていない。そんなこと、考えたこともないのかも。
雑誌は減って、オウンドメディアなどのSEO記事などが増えた。しっかりしたネットメディアも増えたけど、編集も、SEOコンテンツは知ってても、インタビューについては詳しくないのだろう。編集もライターも、

「質問を全部聞いて、答えを書けばいい」


と、思っているのかもしれない。

ライターが、チャンバラをしなくなった理由は、以下の3つ。

1 編集とかクライアントなど質問を作る側が、インタビューについてわ
  かってない。質問を聞いて書けばいいと思ってる、余計な質問はするな
  とすら思っているかも。

2 編集が、質問の答えだけにこだわって、インタビューのチャンバラの必   
  要性がわかってない。バカな編集が質問以外、聞くなと言っているの
  かもしれない。だからライターも、これでいいと思ったまま。

3 書くときは、だいたい「一問一答」スタイル。

では「インタビューのチャンバラ」とは何か?


たとえば、「いろんな質問で切り込んで、学びになる話を引き出すこと」

「仕事術を聞いてこい? 質問案はこれね。相手はクリエイタ―、と。どんな流れでこういう仕事をしているか、仕事のコツ、役立ちツールとか、ふんふん。」

と、仕事を受ける。10こくらい、質問案がある。

「まず~。つぎに~。」

と、順番に聞いていくのだろう。ああ、つまんない!

編集の発注の仕方も悪いが、このインタビューで何を伝えたいのか。

その人の仕事術を読んで、読者に「学び」「役に立つこと」「自分も取り入れようと思うこと」がないと、このインタビューの意味がないでしょう?


「この仕事術のメリットはなんですか?」

くらいの質問は、編集からもらっているだろう。

でも、それが一言の答えで終わっちゃうのよ。
最近のインタビュー読んでると。
そこは、もっと突っ込んでよ~と読んでて思っちゃう。
スルーして次の質問に行かないで~。

「なぜ、そういう仕事の仕方をするようになったんですか?」
「このやり方で、失敗したことってありますか?」
「このやり方でよかったー! と思ったエピソードを教えてください。」

このくらいのことは、聞いてほしい。

つまり、質問で相手に切り込む! 

すると相手も刀を受け、「思いもよらないエピソード、とっておきの秘話」で切り返す!


そうやって、「秘話」「エピソード」が出てきたら、

「そうなんですね、それは~、」
など、相手の返答に合わせて、さらに深掘りする。

そうしないと、面白い話=読者に役立つ話、ためになる話なんて、引き出せるわけがない!

そんなこと、全然やってないんだろうなーという、上っ面だけのインタビューの、なんと多いことか。

「一問一答」形式で書くのが多いのも、インタビューがダメになる理由。


ネットで見るインタビュー、一問一答形式が多い。もちろん、一問一答形式のいいところもある。でもわたしなら、「わたしの仕事術」であれば、「語り下ろし」にするなあ。その人が、ひとりで語っているように書くインタビューね。

一問一答は、形が決まっているだけに、質問と答えだけ書いても、インタビューらしく見えてしまう。


問いがあって、答えが書いてある。でも、それだけ。深掘りなんて全然していない。エピソードは絶対なきゃダメ。書くスペースが少ししかなくても。面白くない。薄っぺらくなる。

たとえば、企業に「新しいソフトの性能を聞くインタビュー」とかなら、それでいい。

でも、「人」がテーマならば、その人の性格や人生のターニングポイント、なぜそれをやろうと思ったかなど、深掘りしなければ、「その人から学べること」が聞けない。書けない。
意味のない、読む気も失せるインタビュー記事になる。


たまに、「公式プロフィール」に書いてあることしか。話さない人もいる。そういう人の殻を壊して、いかに「エピソード」「たとえば~」という話を引き出すか。チャンバラしないと、引き出せない。

プロフィール以上のことは話したくないから、こちらの刀を防御で受けるばかり。

これは、奥の手を出して、相手の殻を壊すしかない!

絶対、殻から出てこない人もいますけどね。


「奥の手」? 秘密です♡
ひとつじゃないし♡

ここまでやってますか? チャンバラしてますか?
聞けと言われた質問を聞いたけで、原稿書いていませんか?
「読者の学び」になるインタビューに仕上げていますか?
語り下ろしで、インタビュー原稿、書けますか?

語り下ろしでインタビューを書けないなら、「インタビューライター」は名乗れません。


もちろん、ちゃんとしている人は多いと思うんですよ。(フォロー)
全員じゃないと思うんです(笑)。でも最近ホントにたくさん、そういうインタビューを見るので……。

今度、「インタビューの極意」とか、「超基本の文章の書き方」とか、Zoomでセミナーやろうかな―。もちろん、全添削付きで!  ふふふ。



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