データ&MA活用&部門連携強化で昨対460%成長を実現したナーチャリング施策
こんにちは。株式会社Schooでインサイドセールスを担当しております、おおともと申します。
2023 年 8 月から Schoo へジョインし、この 1 年 IS ユニットで特に注力してきたナーチャリングの成果が出てきたので、note にまとめておこうと思い立ちました。
一般に、一定事業拡大が進むと、新規リードの獲得効率が徐々に下がり、投資しても投資しても新規リードを増やしにくい局面がやってくるため、過去獲得リードや一度失注した顧客 = ハウスリストの活用・受注創出が重要になってきます。
インサイドセールスとしてハウスリストの掘り起こしに取り組まれている方も多いのではないでしょうか。そんな中で、
ハウスリストが膨大にあるが、パワーで押し切るリスト架電になっており、受注可能性の高い顧客に辿り着く前に IS が疲弊している
掘り起こし商談の受注率が著しく低く or リードタイムが長すぎ、IS・FS のモチベが上がらない
データと MA 活用したいけど、うまく進めるためのステップがイメージできない
MK や FS との部門間連携をもっと進めていきたい
こういった悩み、IS あるあるだと思っており、Schoo での取り組みが少しでも参考になればと思っています。
ナーチャリング商談からの受注創出が昨対460%に成長
活動アポ率 +1.5%、受注率倍増、受注までのリードタイムが半分に短縮
Schoo では、休眠リード、過去失注顧客からの商談をナーチャリング商談と呼んでいます。
ナーチャリングに本腰を入れる前(2023/04~2023/09)と、あとで(2024/04~2024/09)、各指標の転換率でこれだけの差異が生まれ、結果として受注ベースで昨対 460 % 成長となりました。
IS は効率よく商談が取れて、FS は早くたくさん受注できている状態になっていますが、最初から出来ていたわけではなく、課題感の大きかったナーチャリング領域で、一年で何をしてこうなったのか振り返ってみます。
いままでのナーチャリング
2023 年の秋口までは、キャンペーンや季節に応じた顧客群に対し月 1 などのスポットで MA で商談打診のメールを一斉配信し、反応があった顧客をリスト化し架電、という動きをしていました。
活動アポ率が極端に低いこと、こちら都合でのアポ打診のため情報交換アポが量産され商談が進まないこと、いつもリストが不足しているなど、かなりつらい状況でした。
この一年で取り組んだこと 3 つ
取り組みの順番に3つ並べます。
(1)MA 整備と活用(Marketo)
もともと MA として Marketo を導入済みでしたが、活用はメール配信が中心で、過去に設定したプログラムが残っているものの、あまり活用できていない状況でした。MA を最大限活用できるように、MA 専任担当をメンバーに迎え、
AISCEAS 購買モデルに沿って活用方法を再設計し(①)、受注確度の高い顧客群の抽出(②)、見込顧客情報の一元管理(③)、SFA 連携、Slack 連携など、とにかく MA の機能を発揮できる部分をオペレーションに組み込んでいきました。
①AISCEAS 購買モデルを元に MA の活用方法を再設計
購買プロセスにおける Attention 〜 Interest 〜 Search フェーズのお客様のコミュニケーションでの MA 活用を検討しました。
②ハウスリストから有望な見込顧客情報の抽出
次に、アプローチすべき有望な見込顧客群を仮定し、顧客行動に基づいた検討時期や温度感のキャッチ、商談化や受注率の高いプロファイルを抽出するための仕組みを整えました。
ターゲット抽出
ハウスリトの顧客情報データを MA を利用して再分類&整理。商談化率および受注率の高い顧客プロファイルを抽出
WEB 行動検知
WEB 閲覧状況から、受注可能性の高い見込顧客をリスト化して IS アプローチを集中、検討タイミングのキャッチを逃さない仕組み
スコアリング
メールマガジンの開封やクリックによってスコアを付与。一定スコアが蓄積した場合 IS のフォロー対象とし、中長期の関係構築を進める
③見込顧客情報の一元管理(SFA 併用)
さらに、②の顧客行動や、その後 IS のフォロー履歴まで、見込顧客情報として一元管理するために、SFA(Salesforce)と MA を連携させ、下記も整備しました。
顧客行動の SFA へのログを自動化
IS フォロー履歴管理を整備
SFDC キャンペーン管理実施
(2)見込顧客向けのコンテンツ拡充と、情報提供の仕組み化
(1)でシステムが整い始めたタイミングで、マーケ部門で中長期的なナーチャリングを見越したコンテンツ拡充の取り組みがスタートしました。
以前から取り組み予定は聞いていたものの、タイミングが MA 整備と合ったことが幸運でした。
①マーケティング部門と連携
ホワイトペーパーや事例作成、SNS 発信、メールマガジンの定期作成をマーケ部門で実施いただいたことで、メールマガジン配信と連動したリスト架電や、WEB 行動やスコアリングフォローが可能になりました。
コンテンツ内容をフックにお客様と会話して検討温度のジャッジやトスアップ判断ができたり、Schoo が提供する情報に価値を感じるお客様が増えたり、IS だけで魅力的なコンテンツを用意するのは難しいので、本当に良かったです。
②顧客プロファイル別の情報提供の仕組み化
テックフォローを強化するため、メールプログラムを顧客プロファイルに合わせ設定し、情報提供を仕組み化しました。メールを見て検討を再開する見込み顧客は (1)-② でキャッチできるため、人間のフォローとテック、両方を活かせる仕組みになっています。
(3)フィールドセールス部門との連携強化
最後に、FS との連携を推進しました。(1)(2)は商談獲得前段階での取り組みのため、商談獲得後の提案プロセスを強化することが必要だったためです。具体的には、社内で IS と FS メンバー合同の PJ チームを作り、下記の取組を実施しました。
ナーチャリング商談特有の提案課題を FS/IS の PJ チームで可視化し、提案書へ落とし込み。IS のヒアリングを提案書と連携したものへ変更。
商談失注後のネクストフォロー機能を IS へ移管(契約更新や見直しタイミング、決裁者動きなどを FS → IS へ引き継ぎする仕組みを構築。IS が再フォローするタイミング=検討時期)
商談中顧客のメルマガ反応やWEB行動を検知し顧客状況の判断材料を提供
IS/FS が一緒に受注創出するカルチャー醸成
まとめると、他部門の動きと連携して動けたこと、この順番で進められたことが良かった
色々と書いてみましたが、IS だけではここまでの成長を実現するのは難しかったな、と改めて思いました。
マーケティングとフィールドセールス部門の動きと連動して IS が機能できたことで、中長期的視点での顧客育成、ナーチャリング商談特有の事情に合わせた提案強化・タイミングキャッチ等、バランスよく展開できたと思います。
また、Schoo の場合、MA の仕組みが整って、武器になるコンテンツが充実して、いよいよ営業パワーを発揮する、の順番だったからこそ、途中立ち止まらずに突き進むことができたな、と思いました。
成功までのプロセスに再現性があるかはわからないですが、IS あるあるのハウスリストやMA活用にお悩みの方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
引き続き情報発信していきます!
今後
ナーチャリング、仕組みとして機能し成果も出始めていますが、新しい課題もあり、まだまだ伸びしろのある領域です。
ナーチャリングについて語り会いたいので、もし興味をお持ちいただける方がいらっしゃいましたら、お気軽にメッセージいただけたら幸いです。
また、Schoo のインサイドセールスはツールやデータ活用、MK や FS 部門との連携もしっかり取れる環境です。事業を成長させるために一緒に走っていただける方もいらっしゃいましたら、まずはお話したく、ぜひご連絡ください。
それでは、また!
https://herp.careers/v1/schoo/requisition-groups/c7be614f-9d0d-45bc-b965-129a0063ee95
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