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振り返りと、抱負的なあれ

2023年は、衝動的な1年だった。

社会人1年目。新しい出来事が降りかかる毎日にしがみついて、忙しさに縋りついた。周りを見て焦って、「私も」と同じ大きな船に乗ろうとして必死になって。やっと足を掛けたところで、「いや、私はこっちがいいんだ」と結局狭いボートに戻ったりして。やたら右往左往してどっちつかずに落ち着いて、みたいなことを繰り返した。動き回って立ち止まらなかった1年だったように思う。


自分が生きやすい生き方を見つけたい。

去年の年始には、そんなことをほろりと呟いていた。なんとなく決めた抱負的なあれだったけど、1年を振り返ってみるとふと思い出すことが多かったなと思う。

生きやすい生き方なんて、早々に見つかるもんじゃないけど、その欠片みたいなものは集められた気がしていて。

楽しい仕事。おいしいもの。好きな音楽と、好きな空間と、好きな人。それがふっと手の届く近いところにあってくれたら、幸せだ。最低限それが揃っていたら、穏やかに生きていけるなと、とてもありきたりだけどそう思った。


でも好きな人に関しては他のものより難しい。好きな人が近くにいればそれで、と思いつつも、それが難しい。

虹を見つけたとき、雪が降ったとき。音楽の歌詞に惹かれたとき、本の中の震える一節を見つけたとき。新しい価値に出会ったとき。あなたに伝えたい。今、あなたに伝えたい。私の感じたものすべてを、この一瞬を、あなたに伝えたい。

そう思えるくらいに大好きで、ただ私が大好きなだけだからそれでいいんだと思えるような人。それが片手くらいいてくれればそれでいい。

それでいいんだと思っていたのだけど、私にはそれだけでは駄目みたいで。それだけだと私は、片手に集まる大好きな人に、どうしても期待してしまう。期待は恐ろしいもので、気づいたときには嫉妬や恨みみたいな何か黒い感情がぽつぽつ生まれて治せなくなる。

好きだけど、互いに深入りしすぎない人。それが手の伸ばせる範囲でたくさんいると精神状態が健やかだなと、この1年で気づいた。

会うたびに近況報告して、最近面白かったドラマやらアニメやらを話して、笑いながらすこしの毒を吐く。たまにお互いの昔話やら暗い過去なんかも話す。でも毎日連絡とるわけではないし、会う頻度は2ヶ月に1回。みたいな。

広くて浅い関係、の浅いと呼ぶほど浅くはない。でも、何かが起きた時に真っ先に駆けつけるほどの関係ではないのかもしれない。どことなく寂しいけど、それくらいの関係が心地よかったりする。相手のライフスタイルが変わって会わなくなっても、仕方ないねと自然と受け入れられる歯切れの良い間柄。

期待しない分傷つかなくて、自分は1人じゃないと思わせてくれて、不安と寂しさを紛らしてくれる。そんな相手。

片手に収めた城壁なんて取っ払って、両手にすればいいじゃない。そうとも思う。でも、大事な人が増えるのは私にはとても怖くて、大事な人になりそうな一歩手前で自らすっと後退してしまう。これ以上好きになりたくないし、これ以上嫌いになりたくない。そう思うとちょうどいい関係が、ちょうどいい。

好きな人に序列をつけたいわけではないけど、自分の大事な領域に入る人は片手くらいでいいんだ。でもその1つ外側の領域にはたくさん人がいてくれると安心する。狭いと広いの人間関係のハイブリッド型が、欲しい。

私の人間関係と心の防衛スキルはこんな感じで傲慢に向上したらしい。向上といっていいのかわからないけどね、少なくとも私は前よりすこし生きやすくなったからこれでいいんではないかと思ってるよ。



2024年は、大事なもののために立ち止まる1年にしたい。

去年はひたすら全速力で突っ走っていて、自分にとって大事なものが何かわからなくて、それを探してるうちに周りを振り回してしまって申し訳なさが残った。今もまだ大事なものを見つけられていないけど、小さな破片でもいいからすこしずつ集められたらなと思ってるよ。集めてる間に見つけた大事なものは、まだ探し途中でもいいから、「大事だと思ってるよ」ってちゃんと伝えたいし噛み締めたいね。

あとは、本をたくさん読みたいなと。去年秋ごろから小説を読むのが好きになっていたのだけど、今年はもっと、もっとだね。とても好きだった「傲慢と善良」「正欲」、正月にのんびり読むつもりが1月3日の一日で一気に読み終わってしまった「汝、星のごとく」もnoteにかきたいな。こんな感じの小説に加え、純文学にも触りたいね。


毎度ながらまとまりがない文章だけど、書きたかったことを素直に書いたnote初め。今年もどうぞよろしくね。


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