なぜ、富裕層はアートを保有するのか?(Morning satellite Jan.2025. パックンの眼)
なぜ、アート作品は、欧米富裕層の間で、資産の5-10%保有するのが一般的なのか?について解説する。
白紙に本物のバナナを貼っただけの絵画がオークションで9億円で落札された。作ったのは、アート界のジョーカーである“マウリツィオ・カテラン氏”である。
彼は、少年のような発想で、常識と非常識の境目に挑戦している。例えば、か弱い少年のようになったヒトラー、9.11同時多発テロのビルに飛行機が刺さったままの像など。
アードビジネスのグローバルマーケットは、650億ドル程度と言われ、欧米の富裕層は総資産のうち、5-10%をアート作品を保有していると言われている。
この理由として、有価証券や不動産のような厳格な規制がなく、高額な資産を匿名で取引出来る点が最も大きな理由である。実際に、パナマ文書では、租税回避の方法の一つとして認められている。また、スイスジュネーブやシンガポールで著名なフリーポート保管をした際は、輸送中とみなされ、関税が発生しない点も大きな点だろう。
ただ、一般的な目線から見ると、世界的な著名なアートが個人にわたり、倉庫に保管されると、閲覧する機会がなくなることは、非常に悲しい現実である。
美術作品は、今後も価値が向上することが想定され、相続税対策に使用される可能性が高いため、現在の規制を変えていくことが求められるだろう。