性別スパゲッティが考案する「性別は2値でなく2極」と「無性・中性・両性・全性の違い」
↑こちらの続き。
はじめに
性別は2値でなく2極、と思っているものの、自分の中ではその認識で完成されているので、具体的に「2値」とどう違うのか、あらためて図や文章にしてみる。
それから、ごっちゃにされがちな「無性・中性・両性・全性の違い」も、私なりの考えを語ってみる。
自己紹介
私はFtM・トランスジェンダー男性だ。生まれが女で、自認が男で、指向はパンセクシャルで、テストステロンと乳房切除で加療した身体を有していて、性別関係なく服を着る。生まれの性を隠し、男性として生活している。隠しすぎているのだろう、よくトランス女性と間違われる。
詳しくは、マガジンをパラ読みしていただければ幸いだ。
セクシャルマイノリティの当事者ではあるが、あいにく、社会学やジェンダー学、医学や心理学を修めてはいない。ゆえの浅学寡聞は、どうかご容赦願いたい。
性別マトリクス
まずは、奥ゆかしき性別二元論に基づいた、2つの離散値を取る性別を見てみよう。
うん、不安になるほどシンプルで、話はとても簡単だ。
次に、男女の間をグラデーションである連続値と見做して、1次元の線にしよう。
うんうん、近代を感じるね。
最後に、男女を直交する座標軸と見做し、性別を2次元の平面にしてみよう。
1次元の線と対応付けるために左右対称にしているが、45°傾ければ、見慣れたxy平面である。
これが、私が認識している性別のあり方で、「無性・中性・両性・全性の違い」を説明可能な図だ。
無性は、ゼロベクトル。
全性は、男と女のベクトルの和。
中性は、男と女の中間、無性と全性の中庸だ。
そして、両性を記述する。両性は「2つの相異なった性質」という意味合いの通り、座標が2つになる。安易にベクトルを合成して全性と同一視はできない。バイセクシャルとパンセクシャルが別の概念として成立しているのと同じだ。
さまざまな性別
白図じゃ何が何だか分からないので、実際に使い、有用性を確かめよう。
性別の2極とは、つまりこうである。
性別のあり方で散布を出したなら、このような点描ができあがるだろう。
私の性別は、このように記入できる。
これだけの種類と位置情報を有する「性別」を、男or女の1bitに丸める無理を分かっていただけるだろうか。
体格が男で外性器が女である人間を、男女二択の風呂に叩き込む野蛮を分かっていただけるだろうか。
——これについては語りたいことが山とあるので、また別にnoteを書く。
フルイドの方、どうか落ち込まないでほしい。これに時間軸を足して3次元にするだけだ。だが描画が難しいから、複数枚の図を用いて表現するのがいいだろう。
グレッグ・イーガン著『万物理論』に出てくる7つの性、「純男性・純女性・強化男性・強化女性・微化男性・微化女性・転男性・転女性・汎性」も、このように図示できる。
……他、さまざまな性が出てくる作品を知らないので、例を挙げられず困っている。
空間の拡張
第三の性を足して3次元にはしないのか? 現状、していない。
・直交軸を構築可能なほどに、定義や共通認識があるかという疑問
・「ベクトルが男でも女でもない」という意味で用いられている可能性
を考慮して、この図における3次元空間の拡張方法を探している。
……まだ書き足りないことがあるような気もするが、最近調子が悪く、頭が回っていない。思い出し次第追記したい。
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