
35.どうしたら部下が指示を聞いてくれるのか?
記事を読んでいただきありがとうございます。
前回は、「良い判断をするための知識の獲得方法」について、お伝えしました。
施設長であるあなたは、部下が指示を聞いてくれないことに悩んでいるのではないでしょうか?
部下が指示を聞いてくれるためには、信頼関係が深く関わってきます。
ほとんどの人は、その指示が正しいか正しくないかで判断するよりも、指示を出す相手との信頼関係によってその指示を聞いたり聞かなかったりします。
例えば、お金持ちと貧乏な人が、一字一句間違いなく同じ「金持ちになる方法の話」をあなたに話したとしましょう。
あなたはどちらを信じますか?
当然、前者のお金持ちの話を信じるでしょう。
貧乏な人が得意げに「お金持ちになる方法」を語ったところで、「いやいや、そういうあなたは貧乏じゃないか」とまともに取り合わないはずです。
このように、いくら正論を言っても、言っている本人を信頼できなければ、その指示に従うことは難しいのです。
部下への指示も同じです。
施設長であるあなたが信頼されなければ、いくら良い指示を出したとしても部下は動かないのです。
では、どうやって信頼関係をつくるのでしょうか?
ここで、信頼関係を築くための2つの方法を紹介します。
1.会社や上司を悪者にして信頼関係をつくる
この「共通の敵をつくる」やり方は、一番簡単に信頼関係を構築できます。
ほとんどの人は、共通の敵ができると、いくら仲が悪くても簡単に結束するものです。
たとえば、「この会社は社員に優しくないよね」「あの上司はひどいよね」といった会話をすると、一気に部下との距離が縮まることがあります。
そのようなときに、次のように指示をするとどうでしょう?
「私はそう思わないんだけど、上司がこう指示してくるから、本当に悪いけどやってくれない?」
すると、部下はこう思うかもしれません。
「あの上司はむかつくけど、あなたの頼みなら聞くわ」
この方法は、一見うまくいくように思えますが、ここには大きな落とし穴があります。
会社や上司の悪口を続けていると、部下は次第に「こんな会社に未来はない」と思うようになるのです。
そして、最終的には会社を辞めてしまいます。
そのとき、あなたはこう思うでしょう。
「会社や上司が悪いから部下は辞めるのだ」と。
しかし、実際には、あなたが会社や上司の悪口を言うことで部下に不信感を与えていたのです。
2.会社や上司を味方にして信頼関係をつくる
次に、当社の施設長の話を紹介します。
ある日、その施設長は書類整理をしなくてはならず、部下と残業をしました。
そのときに、会社がどのような想いで施設を運営しているのか、自分が施設長としてどのように運営していきたいかを話したそうです。
後日、その部下がこう言ってくれました。
「会社と施設長の想いを聞いて、私もここで力になりたいと強く思いました。」
このように、会社や施設長の想いを語ることで、会社や上司は敵ではなく味方になり、信頼関係をつくることができ、結果として、部下は辞めることなく良い関係を続けていけるのです。
さて、2つの信頼関係の作り方を紹介しましたが、あなたはどちらを使っていますか?
もし、①の「会社や上司を悪者にして信頼関係をつくる方法」を利用しているのであれば、知らないうちにあなたの部下はどんどん辞めていくでしょう。
そうなる前に今すぐ②の「会社上司を味方にして信頼関係をつくる方法」にシフトすべきです。
②の方法で信頼関係を築けば、あなたの指示に耳を傾ける部下が増え、施設全体が働きやすい環境になっていきます。
信頼される施設長となり、職場の未来を築いていきましょう。
まとめ 指示をするには信頼関係が必要。
会社や上司を味方にした信頼関係をつくる。