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24.経営者の指示が腑に落ちないとき

前回、叱る際はポイントを意識し、相手が成長できるような「叱り」を心がける とお伝えしました。

▼前回の記事はこちら▼

会社で働いていると、「経営者の指示」に対して納得できないことがあるかもしれません。
「こうした方がいいのに」と感じたり、「あのやり方は違うのでは?」と思うこともあるでしょう。
しかし、施設長として正しい対応を考えることが重要です。
「自分が納得するまでやらない」「指示を無視して自分のやりたいようにやる」という行動は、組織運営において適切ではありません。

まず、この考え方を説明するには、ピラミッド型組織について理解する必要があります。

ピラミッド型組織の概要

最近ではフラットな組織もありますが、ピラミッド型組織とは、経営者を頂点とする階層構造のことを指します。
ピラミッド型組織は、経営者から一般社員に向かって段階的に指示が通る体制であり、一般社員から経営者に向かって段階的に責任を負う体制になっています。

例えば、会社が倒産するなどの最終的な責任は、経営者が取らなければなりません。これがフラットな組織形態であれば、全社員がその責任を負うことになり、各社員にとって大きなリスクとなります。
こうしたリスクを避けるためには、ピラミッド型組織は有効的な組織形態なのです。

ですから、ピラミッドの階段に沿って役職にも段階的に責任を持たせる形になります。 例えば施設長は、その施設の売上の責任を負う形を取っています。

ピラミッド型組織における大原則

このピラミッド型組織には、次の大原則があります。

  1. 上司は、意思決定したことに必ず責任を持つ

  2. 部下は、上司の意思決定に従って行動し、その行動に責任を持つ

この上司を「経営者」に、部下を「施設長」とすると、施設長は経営者の意思決定に従わなければならないのです。

経営者の間違った指示にも従う理由

経営者も人間なので、間違えることはあります。
しかし、それでも経営者の指示に従うべきです。
なぜなら、指示に従って行動した結果、問題が発生した場合、経営者は「間違いだった」と気づき、すぐに別の指示に切り替えることができます。
一方で、施設長が指示に従わなかった場合、経営者はその指示が「正しかったのか」「間違っていたのか」を判断する機会を失います。
もし経営者の指示が正しかった場合、施設長が勝手な行動を取ったことで、取り返しのつかない結果を招くかもしれません。
ですから、経営者の指示に疑問を感じた場合でも、一度その指示に従い、結果を報告して経営者が適切に判断できるようにすることが重要です。

提案の仕方

場合によっては、施設長が経営者よりもその分野に詳しいことがあります。
そのような場合には、「この件に関して、○○の方が良いと思うのですが、どうでしょうか?」と提案してみてください。
その上で、再度意思決定をしてもらいましょう。
それでも指示が変わらない場合は、必ず指示に従ってください。

施設長が部下に指示する場合

逆に施設長の立場ですと、部下に指示を出す機会が増えます。
しかし、ピラミッド型組織の原則に従って、ただ指示を出せば良いというわけではありません。
以下の点に注意し、部下との信頼関係を築くよう努めてください。

●責任がとれない指示はしない 
責任を負うのは施設長自身です。自分の責任範囲でのみ指示を出し、責任がとれない指示は避けましょう。
●指示しっぱなしにしない
指示を出した後は必ずフォローアップし、結果を確認するようにしてください。いわゆる「任せて、任さず」の姿勢が大切です。
●部下のケアをする
部下が日々感じるストレスに耳を傾け、緩和するためのサポートを行いましょう。
ただし、部下が誤解していたり、間違った考え方をしていたりする場合は、優しく正しい方向へ導く必要があります。
●自己研鑽を怠らない
知識や経験が豊富であれば、それだけ正しい意思決定ができるようになります。積極的に本を読み、知識を蓄えてください。
●想いを伝える
難しい指示を出す場合は、その理由や背景、施設長としての想いを部下に伝えることを心掛けてください。
指示の目的は「部下に従わせること」ではなく、部下が納得し、行動に移しやすくするための動機付けです。

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今日のまとめ
部下は、上司の指示に提案はしてもいいが必ず従う。
上司は、指示したことに必ず責任を持つ。