![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161030953/rectangle_large_type_2_fd6c443befa59441ec6b7e01d950e5c0.png?width=1200)
28.本当に人員不足?
多くのデイサービスで「スタッフが足りない」という声を耳にします。
確かに、求人を出しても応募者がなかなか集まらないのが現状です。
しかし、本当にスタッフが足りていないのでしょうか?
あなたは施設長として、どの業務にどれだけの人員が不足しているのかを具体的に数値で把握していますか?
もしかして、スタッフの「足りない!」という声だけでそう思い込んでいるだけではないでしょうか?
福祉施設には、国が定める必要最低人員が存在します。
もちろん、この基準を下回るのであれば大問題です。
しかし、この基準を満たしている場合でも、本当に必要な人員配置について深く考えるべきです。
ここでのポイントは、「必要最低人員を満たしているからそれで十分」という意味ではありません。
「なぜ人が足りないのか?どの業務で足りないのか?どれだけ足りないのか?」を冷静に考え、スタッフの声を鵜呑みにするだけでは施設長としての責任を果たしているとは言えないのです。
たとえば、私のデイサービスでも以前、入浴業務に人手が足りないので増員を依頼されました。
そこで1ヶ月間、実際に入浴業務にかかる時間を記録してもらったところ、利用者数が異なるにもかかわらず毎回ほぼ同じ時間で終わっていることがわかりました。
つまり、利用者が多い日は急いで作業をし、少ない日はゆったりと作業をしていたのです。
こうした背景から、特に利用者が多い日に人手が不足していると感じていたことがわかりました。
そこで、利用者1人あたりの平均入浴時間を計算し、利用者数に応じて業務終了時間を調整することにしました。
この調整により、スタッフが「人が足りない」と感じることがなくなりました。
最初は「利用者によって異なるので時間計測は無意味」と言っていたスタッフも、改善が進むとそのような主張はしなくなりました。
人手不足を理由に施設長自らが「いちプレイヤー」となっている施設は多いかもしれません。
しかし、いちプレイヤーとして業務を行っていると、深く考える時間が取りにくくなるのではないでしょうか?
また、考えることが苦手でプレイヤーとして活動する施設長もいるかもしれません。
しかし、施設長の本来の役割は、施設全体の運営を深く考えることです。
特に、数字をうまく活用することが重要です。
数字は嘘をつきません。
利用者が多ければ売上は上がり、スタッフが少なければ人件費は抑えられます。
逆に、利用者が少なければ売上は下がり、スタッフが多ければ人件費は増加します。
スタッフの言葉ばかりを鵜呑みにせず、数字をうまく使いながら施設の運営を冷静に考えて改善していきましょう。
------------------------------------------------------------------------------------
まとめ 感情ではなく、数字で人員の過不足を把握する