
34.良い判断をするために知識を得る
お読みいただきありがとうございます。
前回は、
「相手の立場に立って考える」をお伝えしました。
私の会社の会計を担当していただいている税理士法人の会長は、いつもこう言います。
「人は自分の知識の範囲内でしか判断し行動できない」
人は問題に直面すると、何かしらの判断をします。
しかし、その判断はその人の知識の範囲内に限られます。
なぜなら、知らない知識は使いようがないからです。
良い知識を知らなければ、良い判断を思いつくことすらできないのです。
たとえば、次の問題を考えてみてください:
X² − 6X + 9 = 0
この問題でXの値を求めなさい。
この問題は、「因数分解」さえ知っていれば簡単に解けます。
しかし、因数分解と言う知識を知らなければどうでしょうか。
正しい答えに辿り着かないかもしれません。
万が一辿り着いたとしても、答えにたどり着くまでに相当な時間がかかるでしょう。
つまり、何か判断・決断・解決するには知識が必ず必要なのです。
すると「世の中は数学のように答えが一つではない」という意見を持つ人もいるでしょう。
しかし、答えが一つではないからこそ、多くの知識が必要なのではないでしょうか。
むしろ、答えが一つではないからこそ、勉強することの意味が増すのです。
ですから「答えが一つではないなら、勉強しても無意味だ」という考えは、そもそも誤りなのです。
では、どうやって知識を増やせば良いのでしょうか?
一番良い方法は、「本を読む」ことです。
理由は以下の通りです:
安く手に入る
本の値段は、だいたい2,000円前後です。高くても5,000円ほどでしょう。
その本に多くの知識が詰まっていると考えれば、非常に安い投資です。
何度も読み返せる
一度の読書で全ての知識を吸収するのは難しいものです。
しかし、繰り返し読むことで知識が定着します。
また、読み返すたびに新たな発見をすることもあります。
経験を積むと視点が増え、同じ本でも異なる解釈ができるのです。
効率よく知識を得られる
ほとんどの著者は、自分の人生をかけて得た知識を本に書いています。
その知識を、数時間(2~5時間)で吸収できるのです。
これほど効率的な方法は他にありません。
施設長であるあなたは、日々施設に降りかかる問題を正しく判断し、解決していかなければなりません。
そのためには、知識が必要不可欠です。
たとえば、当社のある施設長のお話をしましょう。
その施設長は、就任当初に大きな問題に直面していました。
スタッフが次々と辞めていったのです。
なんとかして退職を止めたかったものの、うまくいかず、自分のコミュニケーション能力が不足していることを実感していました。
そこで、施設長はコミュニケーションに関する本を4~5冊購入し、徹底的に読み込みました。
そして、本に書かれている方法を一つずつ試していったのです。
その結果、コミュニケーション能力が向上し、施設全体の風通しが良くなりました。
今では、その施設長はスタッフから信頼され、慕われる存在となっています。
このように、知識を得て正しく活用することで、施設長自身が成長し、施設も生まれ変わることができるのです。
まとめ 良い判断をするために知識を得る
知識を得るために本を読む
本を読んで正しい決断をする