思いきり殴る蹴る! 完全未経験の私がキックボクシングジムに行った学び
シュッ
ボスボスッ
シュシュッ ボスボスッ
ンッ ボスッ ンッ" ボボスッ
・・・
■人を殴ったことはない私が行ってみた
4月某日、私は池袋にあるキックボクシングジム「グランディール」に居た。
一緒にキック(ボクシング)体験やってみませんか?
マーケティングトレースで知り合った世界へボカン株式会社の徳田さんに誘っていただき、行くことにしたのだ。
私は格闘技経験はなく殴り合いの喧嘩もしたことがない。自分で言うのもおかしいが非常に穏やかで、暴力とは無縁の存在だ。
以前、彼女と動物園に行ったとき「俺に似ている動物は何?」と聞いたら「ハシビロコウ」と言われた。ふざけないで欲しい。
私は東アフリカのウガンダに生息する攻撃的な鳥類ではない。もっと見た目も動きも落ち着いたカピパラである。
・・・
■ジムに入ると人が変わる徳田さん
グランディールさんは東池袋駅を出てすぐだ。
入り口を入ってすぐ向かいに受付スペースがあり、左手には小さいロッカールーム、右手には奥行のある練習場が広がっている。
バスバスッ ボスボスッ
天井から吊るされるサンドバックを男たちが殴打している。その動きには無駄がなくキレがあり、ミットとの間に快音が響いている。
柔らかそうな練習場のマットレスは光を反射させる。その光景のなかに、徳田さんが立っていた。
申し込みしたら、会長に体験コースやってもらおう。
私は書類を埋め終わり、ユニクロのシャツと短パンに着替えた。
練習場に着くと、普段優しそうな徳田さんがサンドバックをボコボコに殴っていた。
シュッ シューッ
右手のパンチが視認できない。ワンツーをキメると、間合いを変えて即座に左のミドルキックを繰り出していた。相手が人なら完全にオーバーキルである。
(徳田さんはハシビロコウだった……)
よくよく観察すると、徳田さんは適当に殴り蹴っているのでないようだった。自分のなかのメニューを淡々と熟しており、繰り出したいコンビネーションをイメージした上でシミュレーションしている。
何やらこのキックボクシング、「型」があるらしい。
■実践、改善、継続が人を強くする
私は他の体験の方1名と一緒に、基礎を教えてもらった。ワンツー、左右ミドルキック。たった4つのアクションだが連携すると意外に難しい。
右利きの私は左手と足を前に出して構えるわけだが、左ミドルキックを放つときは左右の足を瞬時に交換して勢いを殺さずに蹴り込む必要がある。
ワンツーもたまに右手から出たりする。それもおぼつかないのに左キックなぞ脳みそが処理できない。私は何回もサンドバックを痛めつけて身体に刷り込んでいった。
途中、徳田さんがミットを持ってトレーニングに付き合ってくださった。「黒澤さん(マケトレの)だと思って蹴り込むんだ!!」と叫んでいてワロタ。
・・・
徳田さんは25歳の時からキックボクシングを始め、今も会社を経営するかたわら週3回以上のハイペースで通い続けている(筋トレも別にやっているそうだ)。
そんな徳田さんは競技に対する熱い想い入れも目を引くが、トレーニングの改善サイクルがすごい。
ビデオを撮り反省点を探し、プロに相談してトレーニングの仕方を仕入れ、サンドバックやミット打ちで試す。これらを一貫する。
基本の「型」のある競技ゆえに、実戦の活用シーンに応じたコンビネーションを体得する必要があるのだ。
普段の会話も丁寧にメモを取られていて「マメな方だ」と尊敬していたが、スポーツにもその習慣は存分に生かされていたのだった。
■学びの多かったキックボクシング体験
徳田さんは経営者であり他の参加者より年長だったりするものの、腰が本当に低い。
ジムの会長に真摯にアドバイスを求めたり、ロッカルームで知り合った練習生に好きな選手の話題で盛り上がったり、スポーツマンらしい清々しさを感じた。
私は小、中学時代にバスケットボールを6年間やったが、チーム内政治や親がらみのドロドロに巻き込まれスポーツが嫌いになってしまった。悔しいけど、ちょっと徳田さんを見て羨ましくなってしまった。
スポーツに真剣に取り組むなかで学ぶことは多そうだ。さっきの上達サイクル以外にも、メンタルの整え方や食事の採り方、メンバーとのコミュニケーションなど、きっと仕事じゃ手に入らないインプットで溢れている。
私も社会人になってから「靴磨き」という週末の趣味ができたが、それ以外にも身体をアクティブに動かせる趣味を探している。今は時間制のジムを辞める手続きをしており、近所の格闘技が習えるスタジオを探している最中だ。
・・・
●勝手に宣伝:グランディール池袋ジム
・有楽町線東池袋から徒歩10分、JR池袋駅から徒歩8分
・本格的なキックボクシングからシェイプアップ目的のクラスまで
・詳細:https://www.kickboxing-ikebukuro.co.jp/
サポートしてくれた方、いつでも靴を磨かれに来てください。