得意料理❌卵焼き❌ん?(リアル漫才)
ある時、誰かに私は得意な料理を聞かれた。身体的な症状によって、障碍者として生活を営む中では、実は自炊は結構ハードルが高い場合もある。
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私にとって大きなハードルだけれども、健康な人がきっと気にも留めない障壁をいくつか書こうと思う。
キッチンに行く
キッチンに調理中居続ける
食材を冷蔵庫から取り出す
調理器具の準備
食材の準備
火を点ける
火を調整する
鍋を動かす
鍋の中の食材をひっくり返したり、混ぜたりして焦げないようにする
できた食べ物を皿に移す
これらのどれをとっても、動作や動き幅、活動時間等のハードルがかなり高い。
よっぽど体調が良い時に短時間かつ動作が少ない料理でなければ、そもそも作る動作を完遂できない。
ということで、料理ができることも少ないのだが、レパートリーも少ない。そして、先に述べた通り、私は手順が少なく、使う機材も少なく、動作も重力に逆らう頻度も至ることが少ないものしか作れない。
ーーー背景完ーーー
ここまでが事前情報。
ここからが本題だ。
「得意な料理はなんですか?」と聞かれた私は、堂々とはにかんだ笑顔でこう答えた。
「料理とは呼べないほどに簡単ですが、"卵焼き" が得意です。」
すると、相手は「卵焼きも難しいじゃない」とか「凄〜い」とか「上手な卵焼きの焼き方を教えて欲しいわ」とべらぼうに褒めてくれる。
その褒め言葉と賞賛の態度に、嬉しさを感じつつも、少し不思議にも思った。
卵愛が共有できることに喜びを感じた私は、「中の火の通り具合で中が生すぎない感じに、美味い具合にトロッとした状態に焼くのって、実は言うほど簡単じゃないですよね」と “卵やき”への情熱を語り始めた。
すると、途中から「甘い」とか、「お箸」とか色々予期せぬキーワードが会話相手の口から飛び出し始めた。この時、私は自分のやり方と相手のそれに違いがありそうだと思い始めた。
次の瞬間、結構大きな疑問と私の勘違いが解消される言葉が出た。「関東と関西のお出汁」「どっち派」といった質問で私はハッとした。
私が自分の得意料理として言ったものは、本当は目玉焼きという呼び名で、卵焼きとはお寿司屋さん等で出てくる秘伝かつ伝統のある、厚手のあの溶き卵をフライパンでバウムクーヘンのように焼いた食べ物の名称だ💦と気がついたのだ。
会話の終盤で、私は自分が得意な料理だと言ったものは、実際に自分が作るものとは大分違うと気がつくことになる。
そして、最初に何故 "目玉焼き" が得意だと言ったつもりの時に、結構色々ベタ褒めされたのかにも気がついた。
たしかに、美味しくて上手く焼けてる卵焼きは結構凄い😆。
あいや、これはどうしたもんか。
お相手は、明らかに私よりも私の得意料理であると言ってしまった "卵焼き" に詳しい。
私も私で、会話のこの時まで、私と相手とが全く違う料理について会話していることに気が付かなんだ……😅。納豆に砂糖かける人だっているくらいだから、目玉焼きも甘党がいるかもしれない(カスタードのように……)。そして、菜箸で目玉焼きを作る器用な人もいるかもしれない……
この時ようやく、私ははたと自分の間違いに気が付き、どう訂正いようかを迷った瞬間に会話は終了していた。
雑談のような感じで話したとはいえ、この楽しい数分は貴重だ。
実社会で盛大に漫才を生んだ瞬間だった🤣🤣🤣
ノーダメージじゃない内容の時は、もっとしっかりトピックの認識が双方で同じことを確認しないとだな…… いや〜「卵焼き」が「目玉焼き」のことだと、本当に信じて疑わなかったんだよなぁ🤣🤣🤣
今を大切に生きよう!