ムンテラ(Mund Therapie)
「〇〇は私が絶対に死なせない」こう主治医が言い切ったから、もう二度と乗らないと決めたレスピに乗った。
その間、何度このシーンを頭の中でリプレイしたことか。
正直、その入院中に
敗血症+DIC
Superior vena cava syndrome
そして、原疾患が凄く治療抵抗性でね……
けど、世界中?の文献調べてくれて、治療方法を見つけて、その治療を施してくれた。
結局、有言実行となった。
当然、その主治医の先生にも、医局・科にも、看護師さんにも、病院にも感謝してもしきれない。
第二次世界大戦中のユダヤ人収容所(虐殺施設)で生きながらえた人々は、希望を持てた人だという。他にも、戦争中敵の捕虜になって、拷問を受け続けた人なども、生還できた人々は希望を持ち続けられた人だとか。
そういう意味で、この主治医のもうこれ以上悪化したら、不可逆的に脳にダメージくらうし、本当に死んじゃうって病状で放った「絶対に死なせない」という言葉にも、実は大きな大きな、もう本当にその重さが計り知れないくらい、すっご〜く大きな治療効果があったとも信じている。(どんな窮地でも、このワンシーンを鮮明にリプレイして、回復を信じられたからね。)
退院後も感謝していたけれども、実際に人の生死に関わり、やっぱり本人の生きたいという意志と、本人がどれほど希望にしがみつけるかもかなり大きな生命予後を左右する因子だと強く思う。
今では、医師から患者への説明をIC(インフォームド・コンセント)と呼び、「患者に情報を説明し、患者がきちんと情報を理解した上で決断する」ものとしている。
今でも一部では使われているICの古めの呼び方はムンテラ(十中八九は和製ドイツ語からMund Therapieとして、それを略したのが語源だろう。)これは、直訳すると口治療となる。即ち、医者の言葉にも治療効果があると暗示させる。
現実問題、現代の訴訟大国とかした状態では、「絶対」とか「治る」等は訴訟回避のために避けるのが当たり前になっているだろう。
しかし、ただ安心感が得られるだけで、救われる人や場面というのもあるんだろうなぁ、と思う。
第二次世界大戦中の悲劇を生き抜いた教訓を少し以前よりも知った今、以前にも増して主治医のこの言葉に感謝している。
そうね〜。
自分が信じないと!
色々とシナリオは思い浮かべてしまうけど、最終的には「信じる者は救われる。」
これは、神様を信じるから、神様が助けてくれるという意味と、単純に「信じるという心境と思考」が身体の治癒力を高めるという、二重の意味を持つフレーズなのかもしれない。
自分で自分の機嫌を取れるように……自分で自分に安心を与えられるように……とにかく、思考は大切だ。
もちろん、それを築き上げてくれる仲間もね。
今を大切に生きよう!
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