とっさに出た感情
ちょっと待てい!
「いや先輩、話聞いてましたけど、それ逆パワハラじゃないすか
私ならブチキレますよ」
この間、今の職場の先輩の話を聞いていてふと出た言葉だ。
内容としては、別部署のお嬢さん(入社半年)が教育係(上司)のオジサンに話を聞く態度を注意されて逆ギレ。
お嬢さんが「お前が嫌いだ!」と面と向かって怒鳴りあげたとのこと。
オジサンとは何度かお話したが、いかにも嫌なことをするようなオジサンには見えない。とてもいい人だと思う。
私が鈍感なだけかもしれないが。
お嬢さんも私より少し年下ではあるが、達観した大人びた方だなという印象。
でも、これを聞いたことでお嬢さんとは極力関わりたくないなぁと思ってしまった。
関わらないといけないのだけれども。
昭和や平成ではないので、上下関係だの長幼の序だのを重視しろとまでは言わない。
ただ、他人の話を聞く態度もそうだが、二人称として「お前」を使うのも、仕事に好き嫌いを持ち込むのも、逆ギレして語気を強めるのも、ビジネス上良くない話ではなかろうか。
というのも、私もそこまでされてブチギレたことがあったからだ。
過去の職場にいた新人
私もオジサンのように過去の職場で新人から逆ギレされた側になったことがある。
しかも誰も私の話を聞かずに向こうの言い分だけを信じて、一方的に悪者にされた。
私は黙ってブチギレた。
とりあえず泣き寝入りするフリだけした。
幸い私はその職場での多能工(マルチスキル)さんだったので、新人と同じ仕事にならないように自主的に別の仕事をするようになった。
上層部にも根回しして彼女とは一緒に仕事はできないから、絶対に同じ配置にはしないでくれと伝えた。
要するに私からNGを出したのだ。
それからも、新人の先輩にあたる人たちからも新人の愚痴を聞いていたし、私も愚痴を言った。
彼女の評判を下げるような発言も一度や二度ではなかったと思う。
でも聞いた話はそれ以上に酷かった。
愚痴を聞いたら出てくるわ出てくるわ。
日頃の仕事への態度、欠勤の多さ、身だしなみの違反…
彼女の素行の悪さを挙げていったらきりがなかった。
その職場は土日の勤務もあったが(代わりに平日が休みのシフトである)
彼女は土日は毎週のようにズル休みして彼氏と過ごすクズっぷりも発揮。
いや、土日の勤務もあるって説明受けてたはずだろ。
土日休みたいなら端から来んなよ、さっさと辞めろよとも思った。冗談とかではなくて本気で。
間もなく新人はうつ病(おそらく嘘)で辞めていった。
退社にあたっては、日頃の勤務態度や勤怠の悪さを散々注意され、上層部と大モメしてバックレ同然で辞めていったとのこと。
私の経験からの反省
決してこれはパワハラ自慢ではない。
どっちみち彼女は辞める末路を辿ることは明らかだったのだ。
ただ、本性のメッキを剥がしたきっかけがたまたま私だっただけで、誰が・どのタイミングでトリガーになってもおかしくなかったのだ。
私も1つ反省することがある。
仕事に好き嫌いを持ち込んだことである。
過去に新人の愚痴を言ったときに1度だけ「仕事に好き嫌いは持ち込んではいけないのはわかってますが」と前置きした上で、あの人は嫌いです!と明言してしまった。
これは最悪の失言だったと思う。
人間である以上好き嫌いがあり、苦手な人がいるのは当たり前である。
でも、ビジネスの場である以上、好き嫌いという私情を明言してははいけない。
それを明言してしまった私は、考えが甘かったと思う。
お嬢さんへの心配事
話を元に戻して。
今回の先輩の話を聞いて、お嬢さんとあの頃の新人がかぶって見えた。
いつかお嬢さんも、あのときの彼女みたいにいつかはメッキが剥がれて、今の職場に居づらくなるのではないかと思う。
私はそれを一番心配している。
まず、私ならその逆ギレしている修羅場に出くわした時点でブチギレてたと思う。
私は公の場では怒りのリミッターはしっかりつけて、何も言わずに抑圧する方ではあるが、出くわした時点でリミッター外してトンデモナイ事を吐いてたかもしれない。
そうなったらお嬢さんと共倒れ確定演出である。
ちなみにこのお嬢さんの話は課長クラスにまで話が行っていて、部署内で大問題になっているため、近々配置異動があるだろうとのこと。
確実に白羽の矢が立つのはお嬢さん側だ。
万が一オジサンが異動になっても、オジサンはベテランだから、周りともそれなりのパイプは持ってらっしゃると思う。人となりも理解されているだろう。
だから他の業務になっても、うまくやっていけると思う。
ただオジサンからしたら理不尽極まりないが。
問題はお嬢さんが異動になった時だ。
上層部にまで話が行ってるのであれば「あの人気をつけたほうがいいよ」という噂が尾ひれ背びれ尻びれまでついて回ってしまう可能性もある。
そうすると周りは腫れ物にさわるかのように接するか、もうそもそも極力関わらないようにするという選択肢を取る人もいるだろう。(私は後者)
そこでお嬢さんがいずれ取るであろう選択肢は、周りの目なんて関係ねえ!と開き直って働くか、周りの目に耐えきれず辞めるかの2択しかなくなる。
周りにとっては、職場にとってはこういう人間は自然と辞めてくれる方が万々歳かもしれない。
ただ日本の法律では安易に解雇はできない。
辞めるように仕向けるの(退職勧奨)は一歩間違えればパワハラで訴えられる可能性があるし、
別の新人に教育するにしても、そこに時間や人件費といったコストがかかる。
何をするにしても会社側からしたら針のむしろではなかろうか。
今後どうすべきなのか?
オジサンに関しては何も悪くない。
むしろ逆パワハラで然るべき部署に通報すべき内容である。
ちなみにパワハラもだけど、受けている方が泣き寝入りするのは決して良くない。
できれば周りに味方を大勢つけて逆パワハラと戦ってほしい。
お嬢さんに関してはまず態度を改めることが先決かと。
個人的にはここが一番問題だと思っている。
自分がしていることが逆パワハラであること理解すべきである。
できないなら周りに教えてもらうしかない。
そして上層部はしっかり彼女に教育的指導と適切な制裁を与えてほしい。
それでも直らなかったら再三の注意にも関わらず云々で解雇できる。
パワハラもいじめもだが、加害者は自分のしていることが社会的にアウトであることを自覚できていないし、その人が学校であれば教師、職場であれば更に上の上司といった権力者に気に入られているなどがあれば、黙認されているのが一番タチ悪い。
私は何かあるまでは黙っているしかない。
確かに逆パワハラは悪いことである。
見てみぬふりも良くないことである。
でも、まだ話を聞いただけで、実際にその状況を見たとか、巻き込まれたとかそういうわけではない。
第三者である、部署とは無関係の私が変に首を突っ込んで大事にする今度はこちらにも飛び火してしまう。
そうすると私の部署の先輩や上司まで巻き込んでしまいかねない。
自分の周りを守るために、誰かからアクションがあるまで黙っておくしか手はないのだ。
※特定を避けるために一部フェイクを入れています
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