
【音楽と絵】東京の空、春
少し前の話ですが、音楽と絵のペアリングに挑戦してみました。そう、ワインを料理にペアリングする、あれです。きっかけは、音楽をやっている、友人のがんちゃんからのお誘い。
「音楽からインスピレーションを受けて絵を描いてみるの、面白そうじゃない? 音楽と絵のマリアージュのような♪」
素敵なアイデアに一つ返事でのったのですが、よくよく考えたら、風景写真や野外スケッチなど、目に見えるものを描いてきた私にとって、視覚情報が存在しないものを描くのは初体験だったのです。
一言で言うと、難しかった!曲のメロディーやムード、歌詞から自分なりの解釈をして、それを何らかのビジュアルに見立てる。そんな抽象⇔具体の行き来を求められる経験でした。抽象画を描かれる方って、ほんとにすごいです。
さて、今回ペアリングした曲は小田和正さんの「東京の空」。そこからインスピレーションを得た作品がこちら。

小田和正さんの「東京の空」は、とにかく歌詞と曲の透き通るような空気感が素敵で。日々の忙しさや雑念が浄化されるような、だけれど希望を持てるような、澄んでいながら温かくもある。そんな空気感を絵に込めました。
せっかくなので、歌詞をご紹介します。
自分の生き方で 自分を生きて
多くの間違いを 繰り返してきた
時の流れに乗って 走ったことも
振り返れば すべてが
同じに 見える
うんうん。分かる。
あの頃みたいに 君に
優しく できているかな 今も
いちばん大切なのは その笑顔
あの頃と同じ
突っ走ると、大切なことが見えなくなっちゃうよね。
東京の空は 今日も
高く すんでいる
君の 住んでいる街は
冬の色ですか
ちょっと足を止めて、空を見上げて、「いまこの瞬間」を吸いこんでいるような、そんな情景が浮かびます。そして次が沁みるんです、心に。
がんばっても がんばっても
うまくいかない
でも 気づかない ところで
誰かが きっと 見てる
いやぁ、もうね。上京した頃の不安、就職して突っ走った新人時代。色々バタバタしながら、悩んで、失敗して、一喜一憂した頃を思い出します。
いま振り返ってみて、思うんです。見てくれているその「誰か」って、きっと未来の自分なんだなと。
「大丈夫だよ、よくやっているよ」
そんな言葉を、10年前の自分に贈りたいです。