【浮世絵模写】Snowy Stroll:夜之雪
季節外れの雪景色を描いた作品です。深々と降る雪の中を江戸っ子らしき人が寒そうに歩いています。この絵、見覚えありませんか?
歌川広重「東海道五拾三次 蒲原 夜之雪」を水彩画で描いたのもです。一度はどこかでみたことがある、という方も多いかもしれません。夜之雪は、浮世絵の中でも私が一番好きな作品です。雪を踏むザク、ザク、という音以外は何も聞こえないような、静寂な夜の空気感の表現がすごい。ずっと眺めていられます。
ちなみに上半分が白いのは何故かわかりますか?これは浮世絵特有の雪の表現だそうです。これは私の想像ですが、版に雪を一粒一粒彫るのは一苦労だったのではないかと。様々な試行錯誤や工夫の末に生まれた表現なのかもしれません。本当はどうなのか分からないですが、想像する余白があるのも、大昔の作品の魅力です。
以前もお遊びで裏紙に描いたものを記事にしましたが、今回はF6サイズのキャンバスに本格的に描きました。ウルトラマリンライト、コンポーズブルー、セルリアンブルー、プルジャンブルー、ラベンダーなど、色んな青を滲ませながら実験気分で描いてみました。水が良い仕事をしてくれたおかげで、滲みも綺麗。
いつか夜之雪を水彩画で描きたい、と思っていたのですが、思ったより早く望みを実現できました。さらに腕に磨きをかけたら、今度はモノトーン版に挑戦してみたいです。