日本橋に現れた春の雪
画塾展が近いので、ゴールデンウィーク中は展示用の作品を描いていました。モチーフは、日本橋さくら通りの桜並木。たまたま仕事で通りがかった時の写真です。
緊張感のある案件を終えた帰り道でしたが、桜並木を目にした瞬間、なんだか張りつめた気持ちが、ふわっとほどけていきました。
周りの人も、みんな足を止めて眺めたり、写真に納めたり。見ず知らずの人ばかりでしたが、その瞬間だけ、春の歓びを分かち合っているような、不思議な感覚でした。
そんな小さな春のひと時を絵にしました。完成した作品がこちらです。
レッスンで描くものと違って、オリジナルは試行錯誤の連続と言いますか。今回は3枚ほど描いたんですが、1作目(適当に描いた下書き)が一番良かったのでは?!という気がしてなりません。
ファーストウォッシュですが、なんかオシャレ(笑)このままでもよかったのではないか、とNoteを書きながら思う。
ツッコミどころ満載ですが、お気に入りポイントも多かったんです。
・オレンジがかった温かみのある路面
・手前の人物のフォルムとぼかし
・車のライト
・街灯の優しい黄色い光
が、あまりにも適当な裏紙だったので、泣く泣く練習台としました。
次からが本番です。
2作目では、桜を浮きたたせるために、画面右側の建物を暗くしました。夕暮れ(というか夜)の雰囲気は出ているけれど、肝心の空は明るい。いったい何時なんだ・・!桜のエッジ(きわ)も強すぎたので、こちらはボツ。
3作目は両側の建物を薄くして、桜と建物の境界線をなくしてみました。ただ、桜の背景が明るいと、夕暮れのムードがなかなか出ないんです。
画面右下にサインを入れている通り、一度は完成版にしようと思いましたが、GoodだけどGreatではない、ということで控え選手に降格しました。悪くないけれど、初見で「わぁ」という驚きが、どうしても感じられなかったのが一番の理由です。
最終的には3作目を採用しました。人間のフォルムは気になるところですが、一目見たときに気分があがるかな、と感じられたのが決め手でした。
それにしても、練習台だった1作目が忘れられない・・!結局、1作目が一番良かったりするものなのでしょうか?皆さんはそんな経験、ありますか?