【エッセイ】私と推し活①
はじめに
さてはて。
実は、この記事を書きたくて、幾つか前の自分の過去語りをしたと言っても過言ではないわけだったのだが!
せっかくだし、我が人生において、初めての感覚と経験を書き残しておきたいので、ようやっと筆を執ろうと思う。
今回のテーマは「推し活」について。
ええ?推し活について語るために、あんな重苦しい話しをしたの?っていう。
そうなの、実は。
芋づるを引っ張っていって、最後に出てきたのは「推し活」だったんです。
私はこれまで、あまり「推し」という存在を意識することなく生きてきた。
今回はそんな私が、「これが推し…!」となり、果ては「推し活楽しい!」となるまでのお話し。
前もって言っておくが、この記事は自分の推しについて語ることが目的ではない。いや語るのもやぶさかではないのだが!
今回は、相手が誰でどうこうというより、「推し活」という概念そのものと私についての記事である。
何より、やっぱりちょっと気恥ずかしいからね!私はどこまでもヘタレなのである…!
もし推しがこの人だと察した人や知っている人は胸に秘めて、さらりと見ていただけるとありがたい。
毒にも薬にもならない自分語りです。
お暇なときにお付き合いください。
では、いざ。
推しとはなんぞや
先述したが、私は「推し」という存在を、あまり認識せず生きてきた。
そりゃあ男前を見たら、「男前だなあ」と思ったし、かわいい人や綺麗な人を見たら、「かわいいなあ」とか「綺麗だなあ」と思うことはあった。
それは言わば、ハンバーグを食べて「美味しいなあ」と思ったり、天気の良い日に空を見て「綺麗だなあ」と思ったりする感覚に近かった。
どこのどいつが、推しの説明をするときにハンバーグを挙げるのか。私だ。
本当に、その程度の感覚だった。
言葉以上の感情や関心はなく、高校時代なども、周囲がジャニーズやら何やらと盛り上がる中、「へえー」と特に気にすることはなかった。
どれだけ周囲が騒いでも、私の心に彼らが留まることはなく、某学園ドラマで亀派か赤派かみたいな話題に、まあその二人ならこっちかな程度で、ゆるく話題に参加するくらいだったように思う。
「どっち派?」って、ありましたよねあの時期。同世代なら、きっとわかる話なのでは…。
そんなこんなで、私はいわゆる推し活やオタ活の基礎を通らずに大人になった。
いろいろあった時期なので、自分の人生を生きるのに精一杯だったせいもあるとは思う。
結果として、特定の人物について「情報をとことん追いかける」「関係するものにひたすら熱中する」という感覚をあまり抱かずに育った。
私、高校生くらいのとき、何が好きだったのだろう…?
ロックバンドやら、今でもよく聴いている女性ソロアーティストやらだろうか。某男性ボーカル&ダンスユニットに、数年惹かれていたような気もする。
ただ何においても、私の興味関心は基本的に「音楽」ありきであった。
久々にいろいろ調べてみたら、メンバーが脱退していたり、相応に歳を重ねていたり…歴史を感じるなあ。
ともあれ、そんな私がですよ。
ここ数年で「推し」という概念を、心底理解することに相なったわけです。
「推し活」の扉を叩いたきっかけ
そもそも数年前というと、過去記事にて語ったように、私は人生の暗いところを覗いていた時期で、大好きな音楽を聴くことも難しかった。
(参考記事→ -鬱と私①-音楽が消えた日)
ドラマを観ても、内容が全く入ってこない。
本を読んでも、漫画を読んでも目が滑ってしまう。
何にも感情移入ができない。
感情の塊のような人間だったのに!
何とも娯楽の少ない、外部からの刺激を飲み込めない暗い時期を経て、少し落ち着いてきたくらいのことだっただろうか。
ようやくテレビを観るような気持ちになり、大好きだったドラマにも気持ちが向き始めた。
そんなタイミングでとあるドラマを観て、「人が頑張る姿」というものを久々に目の当たりにする。
それが、ドラマ「君の花になる」だった。
2022年10月18日(もうすぐ一年経つのか!)〜12月20日までTBS系で火曜22時から放送されいていた。
率直に言うとドラマの内容そのものに、大きな魅力を感じたわけではない。抜群なイケメンがいる!と思ったわけでも、公式が言うような胸キュンがあった記憶もない。
大好きなドラマ「最愛」に出ていた、高橋文哉くんがいるなあと眺めていたくらいだろうか。
何なら、物語の起点が挫折した高校教師…。ふうん。
本田翼さん演じる「あす花」の痛みについて理解できなくはないが、脚本いろいろ設定甘いなあ…くらいの感想を持ったくらいだった。
何様だと叱られても仕方のない、ドラマに少々辛辣な人間。私はどこまでも、面倒臭いタイプなのである。
そんな私が、このドラマに興味を持った大きなきっかけは、「物語のキーとなるボーイズグループ“8LOOM“は劇中だけでなく期間限定のグループとして実際にデビューすることが決定!」の部分だった。
君花と8LOOMの凄さ
このドラマの何が凄かったのかというと、ボーイズグループの活躍が「リアル連動型」だったところ。
アーティストをしている子、俳優をしている子、両方を齧っている子、俳優業へ足を踏み入れたての子…。見てきた世界がてんでバラバラな個性諸々を一つのグループにまとめて、リアルに歌って踊る「音楽ライブ」の形にする。
私はひねくれた人間で、ドラマも斜めから見ていたようなタイプなので、この彼らのリアルが連動している活動そのものに触れたのは、ドラマが終わる少し前くらいだった。
心が動いたきっかけは、もちろん「音楽」だ。
感性のアンテナが、ゆるりと戻り始めた元来音楽好きな私に、がむしゃらに頑張る彼らの「音楽」がよく響いた。
アーティスト経験のある人たちは、俳優業がほぼ未知の領域。俳優経験のある人たちは、アーティスト業がほぼ未知の領域。
ドラマ側では俳優組がフォローし、ライブや音楽活動側をアーティスト組がフォローする。その「裏側」の様子を、YouTubeなどで公式が発信していた。
概ね同年代のさまざまな個性を持った若者が、それぞれに切磋琢磨しながら、支え合っていろんな苦労を乗り越え、同じ一つの目標に向かっていく──。
ずっとずっと見てきた、教壇からの景色をふと思い出し、既視感を覚えた。
興味を持つと、行動は早い。
いろいろ調べて、展示イベントなどがあることを知る。
外に出ること自体が、まだまだすごく大変で、電車に乗ることも怖かったような時期。大袈裟でも何でもなく、私は彼らに導かれて「外界との接点」を取り戻し始めた。
行き方を調べる。
行ったことのある駅名が出てくる。
道中を想像する。
知っている場所だから想像できる。
それならきっと行ける、大丈夫。
もし行くことができたら、元気をくれた彼らを、間接的に応援することができる…。
そんな風にして、私は「推し活」という未知の世界の扉を叩いたのであった。
──と、思ったより長くなったので、今回はここまで。
何だか懐かしい気持ちでいっぱいになったので、今夜は8LOOMの曲を聴きながら寝支度をしようと思う…!
つづく
続編はこちら!