【映画記録】クワイエットプレイス Day One
思ってたのといい意味で違って
これはイイっ!
史上最も猫ちゃんかわいい映画でもあります。
スタッフ・キャスト
スタッフ
監督・脚本
#マイケル・サルノスキ
原案
#ジョン・クラシンスキー
マイケル・サルノスキ
キャスト
#ルピタ・ニョンゴ
#ジョセフ・クイン
#アレックス・ウルフ
#ジャイモン・フンスー
#シュニッツェル
#ニコ
短評
シリーズの始まりの日を描く今作。
トーンの違いはある意味当たり前で、
純粋なホラーを期待すると
ガッカリする方もいるかもしれませんが、
筆者には裏切りが良い方向に働きました。
所感
生と死
舞台はニューヨーク。
音に反応するあのクリーチャーが襲来したDay One
街の騒音レベルの説明から始まり
雑踏の騒音から一転、ホスピスの静寂。
主人公サム(ルピタ・ニョンゴ)は事態に巻き込まれると
最初は顔半分が埃で真っ白に。(のちに全部真っ白に汚れますが)
詩を書くも、生きる希望を失っていた女性と
法律を学び、「その日」生きる希望を失った男性。
(”社会”で生きてきた男性に兵器が破壊されているのを見せる描写も良かった)
相反するモチーフが多く登場しますが
通底するのは【生と死】だと感じます。
シリーズ前作に比べて、
圧倒的に人がたくさん出てくるのもまたトーンが違って楽しめます。
「頭数が多い」ということは
言い換えるとそういうことにはなってしまうんですが。
まだDay Oneですから、映画序盤では
音を出せないというルールに慣れてない人が当たり前にいるわけで
その描写が、明日起こるかもしれないという
妙な現実感を生んでいます。
ストーリーに負けないキャラと役者陣
主人公サムを演じるルピタ・ニョンゴは
癌を患っているという役柄のため
かなり痩せているのと、終始体調が悪そうで本当に心配になります。
サイズの大きいカーディガンを羽織っていてわかりにくいですが
体重もかなり落としているんじゃないでしょうか。
最期にピザ食べたいという希望を持った後と
再び希望が失われた時の落胆ぶりも
コントラストが効いていました。
サムが入所しているホスピスのスタッフ、ルーベンは
髭もじゃで一見誰だかわからないアレックス・ウルフ。
サムとの対比なのか、アレックス・ウルフとは思えない重量感。
割と(物語序盤は)頼りなさげな役が多い印象ですが
重量感と哀愁もたっぷりで、
ルーベンめちゃめちゃ頑張ってました。
サムと行動を共にするエリックを演じるジョセフ・クイン。
ストレンジャー・シングスで彼を認識したのですが
今回もとても良かった!
自分の限界を認識しつつ、それじゃダメだと頑張るエリックの表情。
登場シーンからして「あぁ!頼りない!」最高です。
ただ彼、意外とサバイバル能力に長けてまして
ヤツらから逃げる際も車の窓を割って防犯ブザーを鳴らしたり
水から現れて水苦手かと思いきや
水を利用して2回も死線をくぐる強靭さ。
あの状況でピザを調達しつつマジックまで披露するタフネス。
ヒューマン・トーチには期待しかありません。
なんと言っても猫ちゃん
役者陣に引けを取らない名演&可愛さを放つのが
サムの相棒フロド。
演じるはシュニッツェル&ニコの二猫一役。
こんなにも猫ちゃんが可愛く映された映画が
今まであっただろうかという可愛さ。
部屋に帰ればすぐご飯。
怖けりゃ逃げる。
サム見つけりゃ駆け寄って膝に乗る。
安心してグルグルグル。
猫以上でも以下でもなく猫なんですが
もうそれだけでいい。
そして可愛いだけでなく、
この物語のルール上、とても危険なキャラクターでもあります。
鳴いちゃいますから。
しかも、序盤で取り乱す男性が
仕方なく殺されるシーンまで入っているという
完璧なお膳立て。
頼むから鳴かないでという緊張感の持続。
本当に勘弁してくれ(褒め)
猫が苦手とされる水も、フロドはよく頑張りました!
そして全世界の猫好きの皆様ご安心ください。
フロドは最後まで大丈夫です。(最後も超可愛い)
エンディング
ラストシーンからエンドロール前半にかけて流れる、
Nina Simoneの「Feeling Good」
曲のイントロが印象的なのは言わずもがな、
歌詞が物語と見事にリンクしてまして
製作側も見つけた時これだっ!と思ったこと請けあい。
そもそもこの曲が初めに歌われたミュージカルのようで
文脈的にも本作と有機的にマッチしています。
まとめ
舞台も異なるため、前作の予習不要で見られる良作。
しかも作品のトーンが全く異なるため
一作目、二作目、本作の順でも、
本作から時系列に沿って観ても楽しめると思います。
ホラーの皮をかぶったドラマを、暑い季節に是非。
※画像はIMDbより引用