私にとっての「考える」
今フジテレビ系列で月曜21時から放送中の「ミステリと言う勿れ」
私はこのドラマの原作漫画が大好きで、もちろん全巻愛読している。私がこの漫画が好きな理由が、主人公の久能整くんにひどく共感するから。
久能くんが周りから屁理屈だのなんだの言われている「おしゃべり」は、私も必ず考えたことのある内容で、久能くんと自分は物事の中でひっかかる部分が似ているんだなと初めて読んだ時嬉しくなった。
どうでもいいことが気になる性格だということは、薄々気づいていた。しかしいわゆる神経質というものではない。別に他人からどう思われてようと気にしないし、自己主張もある方。これも久能くんと似ていると思った部分である。ただ会話やシステムといった日常の中にある矛盾を見つけやすく、自分なりにそのことについて考えてスッキリしたくなるだけ。
たとえば、栃木の人が福岡へ出張へ行く時に「地方へ出張」と言ったとする。でも私は、福岡の方がよっぽど栃木より都会なのでは?と思う。しかし栃木は日本の中心部東京に近く、東京を起点に考えれば確かに栃木よりも福岡は地方にあたるのだろう。こういう疑問がひとつ浮かんでしまうと、自分の中で正解を見つけないとモヤモヤしてしまう質なのだ。結局、地方ではなく遠方と言い換えればいいというふうにその時は落ち着いた。答えが出なくても困らない、こういうひっかかりを考えていく作業が心地よく、好きだ。
また、分析が大好きなので、友人から恋愛相談を受けることが多いのだが、友人に合ったアドバイス、友人に合った伝え方を考える作業がとんでもなく楽しい。友人から頼られることより、人の恋愛事情を知ることより、新たな思考のテーマを提供されたという喜びの方が私にとっては大きい。研究材料を扱っているような気分なので、正直友人の恋愛事情そのものがどうなるかにはあまり興味がわかない。
私は毎日この調子で別々のことを同時進行で自分なりに考えてしまう。小さい時からずっとそうだったため、みんな同じなのかと思っていた。そんなどうでもいいこと気になる?と友人から言われ、初めて自分って変わってるかもと思うようになった。
これは日常生活にたまに悪影響を及ぼす。自分はなぜ恋人が必要ないのだろうと一度思ってしまったらスッキリするまで終わらない。元恋人と別れた理由、自分が人を好きになる時理性的になる理由、自分が親友を忘れられない理由、全ての物事に理由が欲しい。なぜ、そもそも、なぜ、そもそも、とどんどん枝分かれさせていきたくなる。結局その日は答えが出るまで思考が止まらず、徹夜してしまった。寝たいのに頭が勝手に思考を繰り返している感覚は、どれだけ経験しても心地良いものではない。
どうにかしたいとネットで調べても、「マイナス思考が止まらない」「ネガティブで考えすぎる」、といった内容ばかりが出てきて、全く該当しない。私は別に悩み事があって考えているわけではない。強迫性障害でもないし不安神経症でもない。では自分はなんなのか?とまたもう一段階考えたくなった私は、これ以上掘りさげることはないというくらい自己分析をしきった。MBTI診断という性格分類診断は何度やってもINTPだった。正直自分が一番自分のことを客観的に見ている自信がある。
趣味の面でもこの性格は生かされている。私はアイドルが大好きなのだが、アイドルの写真集よりもギチギチに仕事観について語っているインタビュー記事を読む方が何倍も楽しい。もちろん見た目も好きなので写真は嬉しいのだが、それよりも尊先の心の内を知り、自分なりに解釈し、理解した気でいられるこの一連の作業が何より楽しいのである。セットリストに込めた思い、曲の解釈、衣装に隠されたメッセージ、そういう内在的な部分をこちら側に考えさせてくれる。そもそもアイドルという概念は特殊なので、アイドルという職業そのものについて考えるだけで私の思考欲は満たされるのである。
何か考えていないと落ち着かない。自分なりの答えが出ないとモヤモヤする。ずっとそういうふうにして生きてきた。ぼーっと何も考えないってどんな感じなんだろう。
深夜1:30近くにこんな文章を私が書いているのは、思考が止まらずまた眠れない夜を過ごしているからです。この脳が覚醒して、思考が止まらず自分でも制御が効かない状態を、私や周りの大人は発作と呼んでいるのだけど、こういう時はとにかく言語化して脳の中を整理させることが一番効果的であると気づいたので、今ここに私の考えごとの中身を書き記した。
※ちなみに私と同じような人がこの性質?体質?性格?をシンカホリック(思考中毒)と造語をつくってた。私はとにかく自分を分類分けしたい、何か名称がないと終わらない、という質なのでこの造語はありがたいです。