1.はじめに
今回紹介する書籍は、『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』になります。プロジェクトに関する数値や実例をもとに紹介されています。
2.この書籍の主題
この書籍の主題は、かなりの部分が以上の2つの引用部に集約されると思います。
3.印象に残った所
書籍の内容は冒頭に紹介した内容を実際に行われたプロジェクトを例に説明しながら、後半ではとんでもない失敗に陥りにくいプロジェクトタイプを紐解き、プロジェクトを成功に導くための方法を示しています。
この書籍では、2つの建物(シドニー・オペラハウスとグッゲンハイム・ビルバオ)を完成までの過程を比較して説明しています。引用部分にある通り、2つの事例は対照的な事例だと感じました。
余談ですが、"ファットテール"という用語を検索したところ、資産運用に関するページが引っかかったので、その辺りの分野では知られた用語であると考えられます。
参考 裾の重い分布
自動車ではありませんが、モジュール性という観点だと米国のM4中戦車のモジュール性の高さを思い出しました。
このレベルのモジュール性の高さを第二次世界大戦の時点で可能だったという所はなかなか重要だと思います(これは当時の米国の発達したモータリゼーションと工業力がなせる技であったと思います)。
4.感想・誰に勧めたい本か
この書籍では、計画立案の重要性と、なぜ計画立案がおなざりにされるのかということが説明されており、非常に参考になります。特に権力のある方の「思い付き」は止めることが難しいので、そのような意味でも、そのような立場の方は、この本は読んでおいた方が良いと思います。
なお、この書籍には、似たような事例として、スティーブ・ジョブズ氏の事例(パワーマックG4キューブ)も掲載されています。
また、別の書籍でも似たような事例が掲載されていましたので、その書籍の紹介noteにて該当部を引用しているため再度引用します。
参考note:『崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男』について
ジェフ・ベゾス氏、故・スティーブ・ジョブズ氏、故・岩田聡氏ほどの方でもこのようなことが起きるのであれば、我々でも起きてしかるべきだと考えた方が身のためだと思います。
また「プロジェクト」に携わる人(特にプロジェクトに関して重要な権限を持つ方や、プロジェクトマネジメントを行う方など)はもちろんのことですが、引用部にもあるように住宅のリフォームなどは個人にとって「大きいこと」ですので、普遍性のある内容ですので、それ以外の方も読んで損はないと思います。
また、後半に掲載されている発想(スモールシング戦略)は、私の感触とも合うと感じます。私は以前より特定の書籍に関するnoteを執筆していますが、元々、書籍に関するnoteを執筆し始めた時から"書籍を読む速度"と"書籍を紹介する文章を執筆する速度"の間にある程度速度差(前者の方が早い)があり、如何にnote執筆の速度を上げるか?という部分で試行錯誤を繰り返しており、その結果として全体的なボリュームを抑えて文章量をダウンサイジングしたり、noteの構造をある程度固定化したり、自分で執筆する部分を減らし、減らした部分を書籍からの引用に置き換えるなどしており("どこを引用するか?"に対する考慮が必要ですが、これは、"感想単独"より"感銘を受けた部分の引用"+"その部分を読んで感じた感想"の方が説得力が出るのではないか?"という執筆経験から得た考えによるものです)、本書に書かれていたアプローチと相性が良いと感じました。
5.余談
某メタバースプラットフォームの公式番組を長きにわたり、毎週見ている身としては、聞いたことのある単語が出てきたので若干ドキッとしました。恐らく何の関連もなく、単なる偶然の一致だと思います。
この余談のさらに余談になりますが、その"某メタバースプラットフォーム"つながりだと、提供している機能のうち、"ワールドクラフト機能"は触っていてモジュール性が高い機能だと感じました。
6.紹介書籍・関連書籍
BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか? Kindle版
崖っぷちだったアメリカ任天堂を復活させた男 Kindle版