意識低い系サークルが2年超続いている理由を考える
■はじめに
こんにちは、サークル「ほんわかふわふわ」代表、花倉みだれです。
「ほんわかふわふわ」は絵師の「平和なべ」と私の2人サークルです。
現在は、5/11にSteamでリリース予定の「リアルタイムアシストリプレイタイム ~閉店までの1分間~」(以下RTART)の開発を進めています。
RTARTはほんわかふわふわの3作目になります。
1つ目は2021/5/11リリースの「HIGH&LOW ~めざせ! 26連勝! 5000兆円への道~」
2つ目は2022/5/11リリースの「学園スイーツ発見 ~双目(ざらめ)のドーナツ編~」です。
次が想定通りにうまくいけば、という前提ではありますが、概ね1年1本のペースで公開できていることになりますね。
2年継続して、一定のペースで公開まで同じペースで進めている、というのは特別すごいことではないと思いますが、誰とでもできることでもないとも思っています。
自分なりに、どうして現状それなりに上手くいっているのかを振り返っておこうかなと思います。
今後うまくいかない時がきた時に、自分の参考になるかもしれませんしね(笑)
■なぜ「意識低い系」と自称するのか
そもそもなぜ「意識低い系」だと自称しているかという理由を開示したいです。
どうせゲームを作るならなるべく楽しいものにしたい、楽しんでほしい、という思いは毎回思っていますし、どうせ届けるなら広く届けたい、とも思っていますし、あわよくば収益をいい感じに得たい、とも思っています。それに合わせた行動も、大なり小なりしているという自負も多少はあります。
それでも、いわゆるKGIをものすごくしっかり設定しているわけではありません。
プロダクトについても、本当に自分たちの中でベストな選択を常に取っているかというとそうではない部分が正直あります。
プログラムやツールの勉強についても、あまり真摯に取り組んでいるとは言えません。
この辺りを持って「意識低い」と自称しています。
■意識の高さ低さと継続の因果関係
そもそも、誰かと何かをチームとしてやろうとした場合、そこで得られるものを設定する必要があります。
一番わかりやすいのは名誉、売上でしょう。
その点で、基本的にはいわゆるKGIをしっかり設定するのは大きな前提になるものだと思います。
これがリリースしたらいくらかバックがある、名誉が得られる、そういう餌がモチベーションになるものです。これは会社で作るにしてもそうでしょうね。会社組織だったら、売れればボーナスもらえるとか昇進できるとか、圧倒的キャリアアップが見込めるとか、そういう期待感がないと頑張れないですよね。
そのうえで、これを前提とした場合、このゴールに向けてベストを尽くさないことが論外になりますし、各種技術などについても真摯に取り組む必要が出てきます。
なので、基本的にはゴールの提示がしっかりしている、それについてベストを尽くす、これが持続しているチームの特徴なのかなと私は考えています。
■「ほんわかふわふわ」がそれ抜きに成立している理由
●自己満足できている
一番は、本心で「自己満足」で一度ゴールできることにあると思っています。
たくさん売れること、たくさん手にとってもらうことも目標ではありますが、それはいわばストレッチゴールで、到達しなかったとしてもモチベーションに大きな影響は与えません。(到達したら上がりますけど)
基本的に「ほんわかふわふわ」のゲームは「平和なべ」のイラストを用いています。そのキャラクターは、私と平和なべが昔作成したオリジナルキャラクターを下敷きにしています。
「昔自分が作ったキャラクターのゲームを作って遊びたい」が最も根源的な自分たちの欲求にある。これがゆるく継続できている大きな理由であるかな、と思っています。
なので、東方くらいの激強IPになって二次創作ガンガンやってもらえるようになったりしたら、プツンと糸が切れる可能性があります(笑)自分たちで作らなくてもよくなるわけですからね。
「一応毎回ちゃんと完成させている」というのも前提としてあるかもしれませんね。
●今が下積み期間であるという割り切りがある
個人クリエイターの発信では、しばしばダンピングが槍玉に上がります。副次的に廉価で発注する対象も白ハゲにされがちです。
私はこれに対して生存戦略としての理解はするものの、やや主語が大きいのではないかと違和感を持っています。
かけた工数と得られる報酬が釣り合う、ないし報酬の方が大きくなる、そのためには何にせよ実績(あるいは壮絶なコネと運)が必要です。
実際人を頼る側になると改めて痛感しますが、実績、メチャクチャ大事だと思います。
「こいつに何かを頼んだらこれくらいのことはしてくれるだろう」みたいなのを、期待感込みでもイメージできないの、結構しんどいんですよね。
私は元々ゲーム業界で職にありつく(あぶれない)というのがゲーム制作をはじめた目的の1つでした。
これは今でもそうで、大声で実際の仕事の実績を口に出せないケースがある中で、自作ゲームですと手札にできるのは強みを感じます。発信に制約ないですからね。基本的に。
これは私のエゴの部分もありますが、平和なべにはイラストレーターとして大成してほしい、そういう思いもあります。一発大きめな手札があるのは自分と比較すると強さを感じるのですが、自分たちの営業力の低さ(と活動力の低さ)もありなかなかその後が続いていないというのは現実です。
「いつか」自分たちが好きなこと(ゲーム関係の仕事 / イラスト制作)で立ち回れるようになりたい、なれたら理想的だと考えている節はあるのですが、それは「今ではない」とも理解しています。
だから、べつに赤字垂れ流しでもそこまで心は痛まないわけですね。
「作りきって公開する」ことの積み重ねが何より大事だと自分たちでもハッキリ自覚しているので、ある意味意識低くやりきることができているのだと思います。
……お仕事に繋がる何かあれば、間に立って色々アレコレするのでお気軽にご相談くださいね!!!
●何より身内だからね
メチャクチャ積極的に押し出しているわけではないですが、私たちは夫婦サークルです。だからある程度雑なアレコレで進められている、という部分があることは否定できません。
一緒に遊ぶ感覚でやれてる、一言でまとめるとそれに尽きてしまうのかもしれません(笑)
■終わりに
「ちゃんと制作物に自己満足できている」「自分たちの立場を弁えている」「身内」そのあたりが継続できてる理由なのかな~と思います、という話でした。
全体的に目標が内向きなんですよね。
良い評価を得たい、ちやほやされたい、仕事がほしい、そういう思いも当然あるんですが、それを直接的なサークルとしての目標に設定していないのが意識の低さ、かつ続けられるポイントなのかな~。
平和なべに1枚100万とかのイラスト依頼が来たり、Steamのゲームが1000万本売れたりしたら収益分配で揉めてしまうかも! つかさちゃんのエロ同人がガンガンDLsiteに並んだりする未来が来たら飽きてやめちゃうかも! ああ~~! そういう未来が来たら怖いな~!!!!!!!! やだな~~!!!(ちらっちらっ)
そんな怖すぎる未来に花倉を追い込むためにも、まずは一歩として、新作、ぜひウィッシュリストに入れてください(笑)
お気持ちを形にして頂けることは大変光栄で、勿体ないながら大いに感謝いたします。いつもよりちょっとおいしい飲み物や食べ物を頂きますね。