Almond Fish (Motofumi Kozakai)

2013年10月~2017年9月:放送大学(心理と教育)。2018年4月~2020年3…

Almond Fish (Motofumi Kozakai)

2013年10月~2017年9月:放送大学(心理と教育)。2018年4月~2020年3月:同大学院(人間発達科学)。2023年5月 統計検定2級取得。カーリング観戦と将棋観戦が好き。腰痛もち。p5.js+Javascriptで確率変数を動かしている。

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【アニメーション編】「未完のゲーム」を終わらせよう〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題5-2

カバー写真はUnsplashのKarolina Kołodziejczakが撮影した写真。ダジャレですけど。 数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 前々回は、偏ったコインを用いた「未完のゲーム」について考えました。そして前回は、これが果たして正しい結果を出してくれているのかについて、Rを用いて検証しました。 今回は、Javascript+p5.jsを使ったアニメーションを用いた、数値シミュ

    • 【Rで検証編】「未完のゲーム」を終わらせよう〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題5-2

      カバー写真はUnsplashのKarolina Kołodziejczakが撮影した写真。ダジャレですけど。 数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 前回は、偏ったコインを用いた「未完のゲーム」について考えました。これが果たして正しい結果を出してくれているのかについて、Rを用いて検証していきます。 研究問題5-2研究問題5-2は、こういう問題です。 そして、次のような答えを導き出しました。

      • 「未完のゲーム」を終わらせよう〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題5-2

        カバー写真はUnsplashのKarolina Kołodziejczakが撮影した写真。ダジャレですけど。 数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 結城浩先生の研究問題がとても優れた問題であることは、もう何度も書いていますので繰り返しません(といいつつまた書いています…)。この「未完のゲーム」は、私の頭脳にとってはけっこうキビシイ感じの難問でした。 研究問題5-2研究問題5-2は、こういう

        • 【アニメーション版】プログラミング的に答えてみる〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題2-3

          数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 前回は、研究問題2-3について、わりと真正面からの回答と、プログラミング的に考えた、ちょっと横からの回答について書きました。今回は、Javascreipt+p5jsでの実装についてご紹介します。 前回の記事は 研究問題2-3をプログラミング的に考える研究問題2-3は、こんな問題でした。 この問題を、プログラミング的に考えた回答について、振り返ります。

        【アニメーション編】「未完のゲーム」を終わらせよう〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題5-2

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          プログラミング的に答えてみる〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題2-3

          数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 結城浩先生の研究問題がとても優れた問題であることは、もう何度も書いていますので繰り返しませんが(といいつつまた書いていますが)、今回の私の回答は、(おそらく)真正面から回答と、プログラミング的に考えた、ちょっと横からの回答です。(なるほど、これが正解か!などと思わないでくださいね! あくまでも一つの解答案です。と、これも何度も書いてますが) 研究問題2

          プログラミング的に答えてみる〜「数学ガールの秘密ノート/確率の冒険」研究問題2-3

          【アニメーション版】差ではなく比で考えよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-2

          *〈追記〉を書き加えました。目次を追加しました。(2024.10.08) 数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 前回は、研究問題1-2について考えました。今回は、同じ問題をアニメーションを用いた数値シミュレーションで考えます。 研究問題1-2研究問題1-2は、こんな問題でした。 では、実際に、アニメーションを使った数値シミュレーションをやってみましょう。次のサイトで実験できます。 まず

          【アニメーション版】差ではなく比で考えよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-2

          差ではなく比で考えよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-2

          数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んで、巻末の「研究問題」についてあれこれ考えています。 私が別の本で勉強したことや、私の本に書こうと思っていたことが、もうほとんどそのまま形になっているという、優れた問題です。問題を引用しつつ、私の回答を書いていきます。(なるほど、これが正解か!などと思わないでくださいね! あくまでも一つの解答案です) 研究問題1-2研究問題1-2は、こんな問題でした。 本文で、次のような会話が交わされていました。たとえ

          差ではなく比で考えよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-2

          大数の法則を数値シミュレーションで確かめよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-1

          前々回と前回の記事で、結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」の研究問題1-1について書きました。問題と、Rによる解決についてはそれらをお読みいただくとして、今回は、Javascriptとp5.jsライブラリを使った、「数値シミュレーション+アニメーション」による解決です。 数値シミュレーション数値シミュレーションとは、乱数をたくさん発生させることで、確率的な出来事を視覚的に理解しようという試みです。 前回の記事では、「確率0.5で1、確率1-0.5で0になるよ

          大数の法則を数値シミュレーションで確かめよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-1

          大数の法則を確かめよう〜別解?というか、むしろこっちが正解?

          前回投稿した次の記事で、「もしかしたら題意を読み違えていたかも?」と思ったので、別解を書いておきます。別解と言っていますが、こっちのほうがより題意に沿ったものかもしれません。 問題の確認問題はこうでした。 「コインをM回まで投げた時点で表が出た回数(m)を集計し」とあるので、「10回まで投げたぞ。ええと、表は4回で、相対度数は0.4だ」という記録があり、そのあと続けてまた10回投げ、「合計で20回投げたぞ。ええと、表が11回で、相対度数は0.55だ」という記録がある、とい

          大数の法則を確かめよう〜別解?というか、むしろこっちが正解?

          大数の法則を確かめよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-1

          数学ガール結城浩先生の「数学ガールの秘密ノート 確率の冒険」を読んでいます。 もう、さすがとしかいいようがありません。第1章は、わたしが書こうとしている確率変数の本の第1章の内容が、これでもかというくらいに、丁寧に、そして読みやすく、書かれている。ああ、もう、私の仕事はないな。そう思えてしまいます。 といいつつ、私は私で、確率変数と確率分布について、そもそもそれはどのようにイメージすれば良いのかということ、それから、確率変数を「足す」という説明が統計学の教科書にはたびた

          大数の法則を確かめよう〜「数学ガール 確率の冒険」研究問題1-1

          向後千春先生にフォローしていただいちゃった!

          しばらく、note を書かないままになっていましたが、なんと、「向後千春さんにフォローされました」というお知らせが。 う、うれしい! こんなことが本当にあるのだろうか! 生きててよかった!(大袈裟だ) なぜ私がこんなに舞い上がっているかというと、私が放送大学で卒業研究を書いた時に、あれこれ参照した論文の中に、向後先生が関わった論文がいくつもあったからです。たとえば、 放送大学に入学してみて、どういうわけか(失礼!)必死で教科書をめくっている大人たちを目の当たりにして、「い

          向後千春先生にフォローしていただいちゃった!

          あの頃の傲慢な自分へ

          カバー写真は UnsplashのShe gladly seesが撮影した写真。 かつて、見合いを取り仕切ってくれた方に言われたことがある。 あなたは、相手の方をどう思ったかわからないが、あなたにはこの人が釣り合いそうだと思って私たちはお世話をしている。他人から見ると、あなたとあの方は釣り合うんだと見えるんだよ。 こんな言い方だった、もっと直裁な言い方だったかも覚えてないくらい過去のことなのだが、当時の(おそらくとても傲慢だった)私は、この言葉にひどく落ち込んだ。そんなわ

          あの頃の傲慢な自分へ

          ひらがなか、漢字か。それもまた問題だ。

          Cover photo UnsplashのWolfgang Hasselmannが撮影した写真。どうして象なのかは記事の最後で。 三宅香帆さんのこの本を読了。 本文の話をせずにこんなことを書くのはどうかと思うのですが、「あとがき」に書いてあったことに私はとても共感してしまいます。 三宅さんのような様々な視点からの興味や関心ではまったくないのですが、私は、「この人はこの言葉をかなに開くのか」とか、「この人はこのテーマを敬体で書くのか」とか、「何か違うと思ったら、この人は指

          ひらがなか、漢字か。それもまた問題だ。

          確率変数を「足す」ということ

          確率変数の和を考える、というのが、統計学の教科書に出てくることがあります。ん? どういうこと? というのがまず最初の感想だろうと思います。ですよね。おそらく、私も最初はそうだったはず。 カバーはUnsplashのXinYing Linが撮影した写真。 確率変数とは統計学の講義をするつもりはないのでざっくり書くと、確率変数とは、「ランダムな値を取り得る変数」です。ただし、まったくでたらめに値が決まっているように見えて、実は背後に確率的な法則が仮定されています。 たとえば、「1

          確率変数を「足す」ということ

          モンティホール問題:確率変数の世界と実現値の世界

          「モンティホール問題」あるいはその類型である「三囚人問題」で悩んだことのある全ての方へ。 今日が良い一日でありますように。 カバーはUnsplashのSergiu Vălenașが撮影した写真。ヤギに恨みはありません。 アニメーションで考えよう「モンティホール問題」最近、モンティホール問題について考え直す機会があったので、考えたことをまとめておきたいと思います。 上記のページは、モンティホール問題について考えながら、「あ、これ、以前からやっているアニメーションで見せたら面

          モンティホール問題:確率変数の世界と実現値の世界

          エスカレーターは右に乗りたいです。

          Cover Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash プリキュアとパ行音言語学者の川原繁人さんが、面白い本を出しておられます。しばらく前に読み終わっておりました。 言語学の研究者である川原さんが、母校の小学生を相手に授業をした記録が本になったものです。川原さんは、日常的に目にする言葉の中に、「どうしてこういう音(たとえばパ行音)が多いのか?」という疑問についても研究しておられるのですが、もっとも面白かったのは、プリキュアの名前につい

          エスカレーターは右に乗りたいです。