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耽美に癒されて/Butlers'歌劇 悪魔執事と黒い猫

Butlers'歌劇「悪魔執事と黒い猫」、通称あくステ。
舞台化が発表されてからあくねこを始め、そんなにキャラクターにも詳しくない状態で観劇した。
だからかもしれないが、原作の再現度やキャストの芝居の良さの前に凄まじく耽美な世界観(演出)に圧倒され、まんまと引き込まれた。

舞台後方のステンドグラスはプロジェクションマッピングによって怪しく光る。
デビルズパレスを再現するための、荘厳で退廃的な二階建て(かなりの高さ)のセット。
パイプオルガンが奏でる独特な調子の曲。
その全てがゴシックな屋敷と耽美な異世界をこれでもかと表現していたように思う。執事とか悪魔とか、そういうものを好む人が絶対好きなやつ!と心のうちで手を叩いた。

キャラクターに関しては原作を少し触ってナックとフェネスにあたりをつけて観ようと思っていたが、どのキャラクターも俳優さんも魅力的で目が忙しかった。
他の舞台で拝見したことがある俳優さんばかりでも、新しい芝居の一面も見られたような気がする。

1作目なので(続編があると願いつつ…)チュートリアルに時間を割きながら、キャラクターの深い部分はうっっっすら匂わせるだけでこちらには開示してこない。
でも初対面の主様(プレイヤー)に心を開きまくるのもおかしな話なのでこの絶妙な距離感がまさに1作目らしくて好みだった。
ただそうでありながら、主題歌でキャラクターごとに裏がありそうな歌詞が割り振られていたり、美しく踊りながらも「愛されることを許して」と哀しげに歌う悪魔執事たちからは絶対に何かあるでしょ……続いて……と思わせる力があり、本当にこの先が気になる!!
本当に、いってらっしゃいませと言いつつ現実世界に帰す気がない。後ろ髪を引っ張られ続ける日々。

チュートリアルといえば、呪文を唱えて振り付けをやる場面があり、ハウレスの「主様も困惑されていると思いますが」というセリフに「え、うん……」と終始戸惑った。すごく……とにかくThe ゲームの戦闘BGM!!みたいな音楽が流れ出し突然何かをやれと言われ。
後列の観客の様子もわからず、左右もやっている人がいなかったので、これは振りやるやつなの???説明なしで真似するの??とあたふたしていたら終わっていた。多分やっていいし、振り付け動画も出たのでやるべきところだったが本当に困惑した。次作あれば最初からしっかりやるので是非覚えたい。

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