続いていく帝国喫茶をまだみていたい
忘れもしない、2022年、大1年の秋、免許をとった日、私は帝国喫茶の音楽に出会った。
当時使ってたAmazon musicにシャッフル機能で。
1stアルバム「帝国喫茶」がリリースされたばかりで、それがシャッフルで流れてきたのは奇跡だなと今更ながら思う。
中2で邦ロックを聴くようになったものの「ド」が3つはつく田舎に住み、勉強と部活で大学までバイトもせず大してお金もなく、当時サークルを死ぬほど頑張っていた私にはそもそもライブハウスに行くという選択肢などなかった。(フェスは行ったことあったけど)毎日、スマホから音楽を聴き、スマホ越しに彼らにライブ映像をみて、ライブ情報をチェックしていた。列伝も初ワンマンもまじで未だに行けば良かったと後悔している風のリズムも全部。
みていたら行きたくなった。
明らかにサブスクとは違うライブ映像をみて。
友達にライブハウスは怖いところではないと教えてもらって。
初ワンマンツアーに行った。1年以上聴いていた音楽が生で聴けること、曲を作った本人達が目の前にいること。幸せでしたねー楽しかったな。
一度行ったらとまらなくなった。
今まで聴いていたバンドもサブスクでは満足できなくなった。
気づいたらあんなに自分の時間を削って頑張ってたサークルに行かずにライブハウスに行きまくることになった。
今まで聴いてきた音楽を回収するように。
何もしなくても肯定してくれるバンドマンの音楽と言葉を求めて。
たくさんの友達ができた。
ライブの時しか会わないライブハウスの友達。
普通に生きていたら出会わなかったはずの人達ばかりだった。
いつも何かに追われているようで、変わり映えがしない毎日だった。
しんどいことも山ほどあって、でも何をしていてもライブハウスに行けばバンドマンが音楽でMCで、間違ってないよ、生きていてよって言ってくれた。
ライブハウスに行けばその時だけ、爆音で頭をいっぱいにして全てを忘れることができた。
ライブに行くために、色々な場所に1人でひょいひょい行くようになった。今まで以上に1人を楽しめるようになった。
そしたら周りの目を必要以上に気にしなくなった。
好きなものをこれが私の好きなものだと、少しだけだけど言えるようになった。
帝国喫茶はそんな私のきっかけのバンド。
今日11月16日、Zepp DiverCityでツアーファイナルがあった。
はじめてZeppでみた帝国喫茶はやっぱりかっこよくて、やっぱり優しかった。
『春風往来』のひっきーのうるせえーでいつも泣かないのになぜか涙が出てめっちゃ泣いた。白いベースは血だらけだったように思う。
アクリちゃんの笑顔はやっぱり人を笑顔にするし、MCはいつもみたいに可愛かった。何度ライブを重ねてもそのままでいて欲しい。
たくてぃーは普通の人なら頑張りましょうと言うところを「生きましょう」と言った。それだけで会場にいた人みんな心が軽くなったと思う。少なくとも私は確実に。
杉浦さんは変わらずに素敵な声をしていた。杉浦さんが杉浦さんじゃないときに弾き語りをしていた時の声も好きな私は本当に惹かれたのだと思う。
帝国喫茶は、私が好きなナインスバンドみたいな即興ばかアツ!気持ち全力で伝えるぜ!みたいなMCをしない。優しくてあったかいMCをする。で、その分曲で伝えてくれて、その分演奏がアツい。帝国喫茶はそのままでいて欲しいと思う。緊張で同じこと何回も言って欲しいし、かみかみでいてほしいし、カンペとかも全然みていい。とにかくそのままでいて欲しい。
確かに帝国喫茶を知ったあの日からは遠い存在になったかもしれない。
ずっとライブハウスのライブバンドでいて欲しい。
でも、今日Zeppで帝国喫茶をみていつか杉浦さんが書いていたように武道館に立つ帝国喫茶をみてみたいと思った。
おっきくなった帝国喫茶はどんな音楽をしてどんなことを話して、それを聴いたわたしはどんな気持ちになるんだろう。わくわくする。
今日のライブをみて思ったんだ。
帝国喫茶も私もきっと大丈夫。
帝国喫茶にはずっと音楽を続けていて欲しい。