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「ヨッテニ」と「サカイニ」 〜関西弁のナゾ?〜

九條です。

少し古い時代(昭和の終わり頃まで)、大阪市内で使われていた関西弁で「〜よってに」と「〜さかいに」という言葉があります。

その意味は両者ともに「〜だから」「〜なので」といった意味です。

「〜よってに」は大正ひと桁(1910年代後半)生まれの私の祖父母がよく使っていました。

いっぽう「〜さかいに」は昭和10年代(1940年代前半)生まれの私の母や伯母(母の姉)がよく使っていました。

私は個人的に「〜よってに」のほうが好きで使っています。

【例文】
◎電車が遅れたよってに、遅刻してしもた。
(電車が遅れたから遅刻してしまった)
◎電車が遅れたさかいに、遅刻してしもた。
(電車が遅れたから遅刻してしまった)

◎せやよってに、言うたやろ。
(だから言ったでしょ)
◎せやさかいに、言うたやろ。
(だから言ったでしょ)


「〜よってに」には奈良の影響があり「〜さかいに」には京都の影響があるようです。

先祖代々(江戸時代のはじめ頃から)奈良市内の「ならまち(奈良町)」に住んでいる私の同級生は、現在でも「〜よってに」を使っています。

いっぽう京都では「〜さかいに」はよく使いますが「〜よってに」は全く使わないようです。

そして「〜よってに」は「〜さかいに」よりもさらに少し古い言い回しのようです。

すなわち、昭和の終わり頃まで大阪市内で使われていた関西弁の「〜よってに」と「〜さかいに」という言葉。「〜よってに」には奈良の影響があり「〜さかいに」には京都の影響があるようです。

面白い(興味深い)ですね。

皆さまが住んでおられる街で、こうした同じ意味だけど少しだけ時代差がある(といってもほぼ同時並行で使われている)ような方言って、ありますか?


※見出し画像は「勉強しまっせ引っ越しのサ◯イ」のイメージ🐼 ←分かる人には分かる? ^_^


©2024 九條正博(Masahiro Kujoh)
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