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路面電車を守る!

この記事は、2022年1月1日に『大阪歴史倶楽部』に投稿した記事「大阪の街を走る現役日本最古の路面電車」を大幅に短く編集し直したものです。


九條です。

大阪市内の南部(いわゆる「ミナミ」といわれている難波なんばを中心としたエリアよりも、もっと南の地域)には、いまも昔懐かしい路面電車が走っています。

私は鉄道ファンではないので鉄道の詳しいことは何も分からないのですが、電車に乗ってどこかへ出かけることは好きですし、また以下にご紹介する路面電車は昔ながらのノンビリとした味わいや郷愁などがあってとても好きです。

阪堺電車
阪堺電気軌道はんかいでんききどう(略称:阪堺電車はんかいでんしゃ)は、1910(明治43)年創業の私鉄路線です。さらに遡ればこの阪堺電車は1895(明治28)年創業の大阪馬車鉄道おおさかばしゃてつどうを前身とするとても古い会社です。大阪府下では唯一残っている路面電車の路線です。

現役日本最古の車両
この阪堺電車には、現役で日本最古の電車が走っています。それは「161いちろくいちがた」という系列の車両で、1928〜31(昭和3〜6)年に製造された車両です。いまから100年ほど前、ちょうど大阪市が繁栄を極めていた「大大阪時代だいおおさかじだい」に造られた車両です。

この「161形」電車は、冷房装置未搭載(車体の構造の関係で搭載不可能)なので、毎年秋の中頃から翌年の春の中頃までしか運転されません。その他のシーズンはひたすら車庫で眠っています。

「161形」164号車(2021年 九條正博 撮影)
「161形」161号車の車内(2022年 九條正博 撮影)


厳しい経営状態

この阪堺電車は、経営が良くない状況がずっと続いています。実際に2016(平成28)年には、実質上は支線のような扱いだった「住吉〜住吉公園」の約200mの区間のレールの交換費用や設備の更新費用などが捻出できずに廃線となりました。

また「161形」のトップナンバーである161号車は修理費用が捻出できず、2021年にクラウドファンディングによって修理のための資金を広く募集しました。私も微力ながら応援いたしました。

個性的な電車
そのほかにもこの阪堺電車には、かわいいパンダ電車や2020年にデビューした最新型の超低床型トラムなども走っています。

パンダのラッピング車両(2021年 九條正博 撮影)
2020年デビューの超底床型トラム
(浦辺研究所『日本を走る鉄道車両図鑑』より)
※非商用に限り転載可・使用許可申請不要の画像です

ささやかな応援
この阪堺電車は、ウチの近所を走っています。正直申しましてウチからだと阪堺電車と並行して走る大手私鉄や、大阪メトロ(旧大阪市営地下鉄)などを利用したほうが、どこへ行くにしても何かと速くて便利なのです。

けれども私は阪堺電車を応援する意味で、できるだけ阪堺さんに乗るようにしています。^_^

黄昏時の164号車(2021年 九條正博 撮影)
奥に見える超高層ビルは「あべのハルカス」


©2022 九條正博(Masahiro Kujoh)
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