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『生のみ生のままで』 綿谷りさ


テレビをつければ、腹が立ったり不安になったりするニュースばかり。
バラエティ番組にも、そこまで面白みを感じない。

そんななかで、現実から逃れるように小説『生のみ生のままで』を読む。
ハッピーエンドに幸福を感じて、本を閉じるのを拒む自分がいた。
そして「やっぱり、ハッピーエンドがいい」とシンプルに思う。

未来に一体何が待ってるって言うの。そんな生き方してたら一生なにが幸せか分からないうちに死ぬよ。 (p.22/下巻)

私にとっての幸せを考える。
どんなに自己啓発本を読んでも、自分のことを愛せない。
それならば、せめて、大切な人に幸せを届けたい。

私は完璧じゃない。だから他人にいくら笑われてもしょうがない。でも自分だけは自分を笑っちゃいけない。 (p.70/下巻)

曇り空にそよいでいる真っ白のバスタオルを眺める。
洗濯バサミを5つも使って押さえつけられているにもかかわらず、心地よさそうだな、と思う。

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『生のみ生のままで』 綿矢りさ 集英社 2019

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