感情の記録8 : 4/4 「アノニマス・コール」薬丸岳
3/31に、ジャケ買いのように、ブックオフで購入した。薬丸岳さんは名前すら知らなかったし、Lyu:Lyuを一時期狂ったように聞いていたせいでアノニマスという単語に反応してしまっただけ。その割には読みやすくて最後まで読めて良かったなと思う。文句しか言っておらず大変申し訳ないが……。今社内で論文を書いていて、延々と書いていて、事実を淡々と伝えるだけでも文章を書くということがとても難しいということを自覚しているのに、より高度な作業を行っているものに対して文句ばかりなのマジで申し訳ないが……(保険)。
うーん、読みやすかった。比較的。どちらかというと少し残念という意味で、題材の割に冷や汗をかいたりということがなかった。これは、冷や汗レベルの高い青の炎の直後に読んでしまったせいという気もする。良い意味での読みやすさというものもあって、赤川次郎系統のあっさりでするんとした喉越しの良さを感じた。赤川次郎ほどでは無いが……。
ラストシーン、特に主人公の行動の諸々が意味不明で(なんで犯人の言う通りにせずに奈緒美を追いかけたの?)(公園のシーンで公務執行妨害を起こす意味、電車を緊急停車させる意味、あった?序盤で思いっきり身代金受け渡し中の奈緒美と接触する意味あった?)、唐木が突然「死なせてくれ!」というのもあまりついていけなくて、真犯人というか事の発端の人物を大どんでん返しというところに設定した割にはその人物を強く読者に印象付ける描写がそれまでにあった訳でもなくて、最後やっと家族が会えた描写もないし、すごくいい感じの波にギリギリ乗り損ね続けているボディボードをやっている気持ちと同じ読後感があった。
度々、読み飛ばしていたのか、状況が理解できなくて戻ることがあった。未だに分からないんだけど、岩城が元警察だったという情報を主人公が入手したのってどのタイミングだった?
魅力的だと思える人物が少なかったように思う。戸田と高橋くらいかな。二人ともそんな、強いて言うなら、レベルだけど……。
まじで最後家族3人で再会するシーンだけでも見たかったな……。
おしまい