自然の効果
昨今では、新型コロナウイルスの影響もあり、アウトドアアクティビティの需要が高まってきている。
アウトドアには密を避けることができるという点以外にも、自然に触れ合うことで得られるさまざまなメリットがある。
では、具体的にどういったメリットがあるのだろうか。
自然と触れ合うことを通して得られる3つのメリット
まず、自然の中で過ごすことによって得られる最大のメリットは、心身のリラックス効果と言われている。
実際に、休日に自然豊かな場所を訪れると、「癒やし」を感じたことがあるという人も多いのではないだろうか。
自然の多い環境には、花や木々の香りを感じたり、鳥のさえずりにゆっくり耳を傾けることができたり、そよ風を肌で感じることができたりと、都会では味わえないような体験がたくさん詰まってる。
自然の中で「癒やし」を感じるセラピー効果を調べた研究では、
全国35の森林を対象に、420人の被験者のホルモンの分泌量などを計測したところ、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールの分泌量は約12%減少し、緊張を高める交感神経の活動は約7%減少、
一方でリラックス時に働く副交感神経の活動は約55%増加するといった結果が得られている。
さらに、自然に触れることで免疫力を高める効果も期待できる。
平成医会が行った「森林浴とメンタルヘルスの向上」という研究では、1日森林浴をした場合と2日森林浴をした場合で、
ナチュラルキラー細胞(NK細胞)と呼ばれる免疫細胞がどれほど増加したのかを調査した結果、1日の森林浴では約27%、2日の森林浴では約53%増強されるということが分かった。
つまり、自然に触れることで「癒やし」の効果があるということは、科学的にも証明されていると言えそうだ。
ほかにも、自然に触れることで、人の感受性を育てることにも影響があると言われている。
自然の中で過ごしながら、木の葉の色の変化や風が吹いた時の葉の揺れ方の変化、木や花のにおいなどさまざまな気づきを得ることで、
感受性が育まれると言える。都会ではあまり見ることのできないような自然の景色の変化などを感じ取ることで、
細かい事柄の変化なども敏感に感じ取れるようになれるのかもしれない。
昔に比べて自然と触れ合える機会が少なくなったと言われる今、教育の一環として積極的に子どもとアウトドアを楽しむ時間をつくることが、非常に重要なこととなっているようだ。
自然と触れ合うことは、心身ともに多くのリラックス効果をもたらすだけでなく、
免疫力の向上や、感受性の育みも期待できる。
ストレスを感じやすい今だからこそ、気分転換に自然の中でアウトドアを楽しんでみてはいかがだろうか。