![夜明けの紫の空](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4990244/rectangle_large_1f1ccc68b99f69da5f52d7eefdff45dc.jpg?width=1200)
初めて出会った短歌の記憶
金色(こんじき)のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に 与謝野晶子『恋衣』
小学生の頃、俳句を楽しむ祖父から俳句かるたと一緒に短歌かるたをもらった。取り札の絵が愛らしい短歌かるたに惹かれ、とりわけ晶子の一首が好きになった。まさか自分で歌を詠むことになるとは想像しなかったが、思い返すとこれが出会いであった。
だが、件の短歌かるたはいくら探しても見つからない。もらったのは俳句かるただけだ、と父母は言う。
(初出 「短歌研究」2012年11月号特集「新進気鋭の歌人たちー初めて出会った歌」)