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慣れると楽しくなることもある

息子が生まれて、やる様になったことの一つが料理だ。


学生の頃から一人暮らしをしていたので、簡単な料理は作れる。
気に入ったらそのメニューが何日続いてもいい、そんな性格だったので1週間キムチ鍋とか、1週間豚とキャベツのパスタとかそんなことばっかりやっていた。手の込んだメニューは面倒で、作り慣れているものばかりを作っては食べていた。
そして家の近くにはいつもコンビニがあった。お察しである。



とはいえ、息子が生まれ離乳食を作らなければいけないし、息子の健康を維持するためには私の健康も維持しなくてはいけない。産休中は時間も有り余っていたので、そこでやっとやってみるかと重い腰を上げたわけである。


あれだけ面倒だと思っていた料理だけど、やってみるとなかなか面白い。
下茹で、下味の大切さを知ったし、調味料は先に混ぜておくと慌てなくていい。

切るサイズを揃えないと、茹でたり焼いたりした時にムラが出てしまう。

昔母の手伝いをした時に、適当なサイズに切り刻む私の包丁さばきを見て、まったくと小言を言っていたけど、それにも意味があったなんて知らなかった。焼いちゃえば一緒じゃん、と思っていた。全然一緒じゃなくて、初めの頃は生焼けと焼き過ぎて小さくなった人参が入り混じる焼きそばを前に呆然とした。こっちの人参は全然焼けてないから、もっと焼こうとするとあっちの人参はもう終わりにしてくださいと訴える。大きさを揃えるのにそんな大事な意味があったなんて。

やってみないと分からないこともあるもんだ。


面倒だと思っていたのは、その作業内容を知らなかったからかもしれない。
何となくやることがいっぱいで、時間が掛かる作業、という風に思い込んでいた。

付き合った当初から料理好きだった夫は、その手間暇を厭わずするので大したもんだなぁと感心していた。


やるようになったとはいえ、料理歴4年ほどの初心者マーク外さない系お母さんなので、いまだに失敗は多い。

レシピをきちんと見て作った料理はとても美味しくできるけど、何となくで作った料理や思い付きで作った料理は大体味がぼやっとしている。
元々食べることは大好きだけど、作るのは面倒で母だったり、コンビニだったり、夫だったり、その時々で私のご飯のお世話をしてくれる人に丸投げしていた報いだと思う。



そして息子は両親の遺伝をしっかり引き継ぎ、食べることが大好きだ。
嫌いなものはほとんどないけど、美味しくないものは一口食べたらそれ以降箸が進まない。
4歳ながらとんでもない美食家を生んでしまったのではないか、と戦々恐々としている。

そんな息子がパクパクと出したご飯をおいしそうに食べてくれると、嬉しくてガッツポーズだ。
反対に箸が進まない様子を見て、自分も食べてみると、そうだよね微妙だねという気持ちになる。

塩の効かせ具合をまだ見極められていないのが敗因だと思う。
入れ過ぎると塩辛いし、入れなさ過ぎると味が決まらない。

ここの見極めが出来る様になった時、初心者マークを外そうと思う。
とはいえ、好きじゃないなと思っていた料理が、もっと上手になりたいなと思い始めていることが嬉しい。


面倒だと思っていたことも、手を付けるとそうでもないことに気づく。
私の人生この繰り返しだな、と思う。

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