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タイでひたすら鉄道に乗っているドット絵師がいたらしい

タイに来ました。

久々にさっぱり読めない文字に囲まれてテンションが上がる。

今回、2種類の路線で列車旅をしたので、備忘録。
2日間で乗車時間はだいたい計11〜12時間ぐらいでした。

1日目: 泰緬鉄道

とんでもなく狭い渓谷の合間を通り、とんでもなく狭い橋を渡る(しかも下車後はその橋を歩ける)鉄道と聞き、一日で往復する旅を決意。

片道の乗車時間はおよそ4時間。チケットは往復で100THB

7時50分にトンブリー(Thon Buri ธนบุรี)駅を出る便に乗る。Grab で手配したタクシーで、先に宿に荷物を置きに行く予定だったがバンコクの路上は思いのほか進みが悪く、断念して直接駅に向かってもらった。電車に乗り込むと1,2分で発車したので賢明な判断だった。

ほどなく車内販売が始まる。フルーツ売りのおばちゃんと目が合うと立ち止まってにっこり勧めてきたので、思わず買った一袋のマンゴー。30バーツ。

このマンゴーが言ってしまえば全然熟れてない。バナナを房からもぐ要領でちぎって齧る。固めのりんごのような食感である。熟れていないので触った手がまったく汚れない。これがきっとマンゴー王国の贅沢なマンゴーの食べ方に違いない…と思いながら噛み締める。

ピンクグレープフルーツのような色をしているのは、砂糖と塩と唐辛子の混じった謎の粉。付けて食べていたが、あとで現地の人の食べ方を見て判明したことにはこの粉が肝で、マンゴーの入った袋に全部投入してまぶしておくと、次第にマンゴーから果汁が出て瑞々しく変化する

弁当売りの人は要所要所の駅で乗り降りしているらしく、区間によって売られるものが違うことが分かってきた。以下、覚えている範囲のざっくり弁当販売スケジュール。

行きの便

  • トンブリー駅から前半2時間ぐらい → フルーツ、葉物野菜っぽい何か

  • 2時間後ぐらいからカンチャナブリあたりまで → 紙で包まれた麺のようなもの、米と串に刺さった肉の弁当

  • カンチャナブリ以降 → パンケーキとドーナツのようなもの

帰りの便

  • タムクラセー駅からカンチャナブリ前まで → パンケーキとドーナツのようなもの、米と串に刺さった肉の弁当

  • カンチャナブリ後、1~2時間ぐらい → 紙に入った麺のようなもの、おみやげらしい乾きもののお菓子、フルーツ

トンブリー(バンコク)

カンチャナブリ(ちょっとした観光エリア)

タムクラセー(橋の上を電車が通る)

超ざっくり主要駅の位置関係

今回の旅でちょっと後悔しているのはこの部分で、最初のフルーツを除いて結局すべて買う機会を逃してしまった。行きはカンチャナブリで乗客が増えて以降買えず(人の目があると食欲が消失するタイプ)、帰りは需要が高いらしくすぐ売り切れになっていた(それに暑さでやはり食欲も失せていた)。

今回の目的地の、タムクラセー駅
線路の上を歩ける。安全の保証はありません。

泰緬鉄道の乗り心地だが、まずエアコンは無い。天井の扇風機と全開の窓からの風は午前は心地良いが、昼に近づくにつれ温風になる。

予想していなかったのは外からの風がけっこう汚れていることで、気づけばスマホの画面がそこはかとなく砂で濁っている。髪は砂と風でいつの間にかバサバサで、持参したウエットティッシュで身体をふくと黒く汚れた。

先頭車両はボックス席ではなく、広々としている

非常に原始的な環境ではあるが旅では非日常も受け入れやすいというもので、夕方には再び少し涼しくなった外からの風を心地よく感じながら車窓を眺めていた。

なお帰りに寄ったトンブリー駅の道路を挟んだ向かいにある弁当屋がとんでもなく安かった。


この2種類で25バーツ
ガパオライスも一パック25バーツ

弁当屋の横のドリンクスタンドでタイミルクティーを買った。その場で調べたタイ語で「チャーノムイェン」と頼んでみて、一応通じた。「Thai tea」と店の人がにっこり笑って返してくれた。

写真を撮ってGoogle Lens で翻訳が基本

2日目: メークロン市場

メークロン線はその線路上にマーケットができていることで有名で、電車が通過するときだけマーケットの人々が線路の上を空ける。
つまりマーケットのギリギリを電車が通過する。なぜタイの鉄道はギリギリを攻めてばかりなのか。

バンコクの中心からメークロン線が伸びているわけではなく、タクシーやツアーでこの路線まで行ってマーケットを通過する部分だけ電車に乗る方法もあるらしいが、今回はローカル線を乗り継いでこの路線に向かう。

出発はWong Wian Yaiという駅。8時35分発の電車に乗るべく駅に向かう。ちょっとだけ安いGrab のバイクを手配したら、客用のヘルメットが無い。ノーヘルでバイクの二人乗りをするというワイルドをタイでやってのけることになるとは思っていなかった。よく見るとけっこうノーヘルでバイクを運転している人がいるので、どうやら合法らしい。
落ちたら死ぬ確率がものすごく高いやつだな…)と思いながら、座席につかまる手に力が籠もった。

駅の周辺には屋台がたくさん並んでいて、テンションが上がる。前日の反省を活かして気になったものを何か分からないままとりあえず買い占めた。


バナナの葉で包まれたのはソーセージの中身みたいなもの。恐らくサワーポークとか呼ばれるもの。辛い。
砂糖と唐辛子の小袋とともに提供されたパッタイ
バナナの葉で蒸し焼きにされて売られていたが、袋に移して渡してくれた。魚と葉物。

占めたといってもひとつ10バーツやそこらなので、お財布にはほとんど響かない。

後でマップを見て分かったのだが、この駅の周辺は「Wong Wian Yai Railway Station Market ตลาด​นัดสถานีรถไฟ​วงเวียน​ใหญ่​」とちゃんと名前の付いたマーケットになっていた。電車に乗らずとも、ここに来るだけで十分楽しめる、と思う。

この電車は終点まで乗って、フェリーに乗り換える。

対岸へ渡ったあと、再び電車へ。これがあの、線路の上に鎮座するメークロン市場へと入っていくローカル電車になる。


窓に近い席を確保するようにとの事前情報に従い、窓横に座り込む。

途中駅で何度か団体の観光客が乗ってきて、最終的に結構な乗車率になった。途中駅で入ってくる人たちが窓側の席を確保するのはなかなか難しそうだった。

メークロン市場への行進はちょっとしたアトラクションのようで、電車からほぼゼロ距離で立っている市場の人々と手を振り合うことになる。向こうもこちらもカメラを構えている。活気がすごい。


線路の上で食器を洗う市場の人
電車が通るときはテントが畳まれる

帰りは電車ではなく乗り合い式のミニバス(バスの定員まで乗客が集まり次第発車する)を利用した。13時ごろに乗り場に着いて行き先を「アソーク」と伝えると、出発は14時半だと伝えられる。えっと思って聞き返すと、ぶっきらぼうに「13:15 full」と書かれたスケジュール表を見せられた。


1番の整理券なので、タッチの差だったのかもしれない。平日だったが意外と需要があるものらしい。
しばらくバス停で乗り方を観察したあと、時間もあるし市場に戻るか…と去ろうとすると、先ほどのスケジュール表提示のおばちゃんがあのミニバスに乗ってな、とジェスチャーしてくる。もう出るってこと?と思いつつ数名の乗客とともに乗り込む。

置いて行かれても困るので大人しく乗っていたが、結局14時半の少し前に定員ぴったりになるまでバスは動かなかった。(更に結局アソーク駅の手前の終点で降ろされた。まぁ後は自力で帰れるから良いのである。)


世界の車窓から

タイ鉄道の旅はとにかく安く済む。ずっと乗っているのに日本で数駅乗るぐらいの料金しかしない。

次に訪問することがあったら、泰緬鉄道で車内販売をコンプリートしながら途中下車するか、別の路線でピンクのガネーシャを訪ねようかと思う。


6月に群馬で絵のグループ展示します。詳細はSNS などで随時お知らせ予定です。


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