月見団子
風雅な月を見る夜だった
あなたはわたしを誘い
道すがら求めた団子を頬張り
肩を寄せ夕空に目を遣った
わたしの齧った団子だけが
ざりと不快な音を立てた
砂が混じっていたのだろう
吐き出して地面に叩きつける
すぐに不愉快は伝播し
あなたの微笑みは途絶えた
もう月など見えなかった
欠けていく円は
わたしの哀しみだった
もう元に戻ることはなかった
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