「プロのゲームクリエイターが語る、ゲーム制作が切り拓くキャリア」という大層な名前のセミナーで話そうと思ったきっかけについて
先日、LITALICOの 加藤さん からお話を頂き「プロのゲームクリエイターが語る、ゲーム制作が切り拓くキャリア」という題目でトークをさせていただきました。Zoomウェビナーを用いたオンラインのセミナーでしたが、多くの方にご参加頂けたということで非常に嬉しく思います。
プロのゲームクリエイター ... といっても自分はコンシューマタイトルを手掛けた事はありませんし、実は今は仕事でゲームも作っていません。実際に現場で働かれている方には自分より優れている方が星の数ほど存在するのも分かりますので、今回お話すること自体に少し負い目があったりもしました。そんな自分が今回ゲーム作りに関心のある親子の皆さんに向けてトークをしようと思ったのには、過去のある後悔が起因しています。
📝 今回話したこと
▲今回お話したことのアジェンダ
今回のお話は資料/動画公開も基本的には行われないはずなので、お話の要点をざっくりまとめました。
■ スマートフォンのカジュアルゲームからコンシューマゲームのAAAタイトルまで、今のゲームには多様性がある。もちろん人数や期間、制作体制もそれぞれである
■ タイトルが大きくなる程、様々な分野のプロフェッショナルが力を合わせてゲームを制作しているし、企業も特定分野に対する能力や興味を求める。どの分野のプロとして活躍したいかは予め考えておく必要がある
■ 会社でゲームを作ることはメリットもある一方、制約も多く、自己実現のために個人や小規模組織で「ゲーム作家 / インディーゲームクリエイター」として活動する人もいる
■ 会社でゲームを作りに関わるにしろ、個人でゲームを作って生計を立てるにしろ、その生き方を選択するにはまずは一度ゲームを作ってみると良い。企業はポートフォリオとして成果物を見るケースも増えてきている
■ (PCやネットがある前提下において) 今は無料のゲームエンジンも充実し作りやすく、フィードバックを貰いやすい時代になった。個人でストアにパブリッシュでき、ゲームコンテストや展示会も行われている
■ いきなり大きいものを作るのではなく、小さいものから完成させていくことで、知識やパーツが増えていき、作れるものの幅が広がってくる。カジュアルにゲーム制作の一歩を踏み出して欲しい
...といったものになります。実際に現場で働かれている方から見ると意見が分かれる部分もあるとは存じますが、今回は主観として上記のようなメッセージをお伝えしました。
👦 昔の自分のこと
自分は子ども時代、将来のことを本気で考えたタイミングは殆どなかったように思います。何となく生き、飽きっぽく、色々なことを始めて、色々なことを辞めてきました。好きなものも殆どなく、好きなものをアウトプットすることで評価されることを恐れる人間です。将来のことも、何となく東京に行きたくて国立大で行きやすいところを選び、大学でも真面目に勉強してこなかった。そのツケを、就職活動で払うことになりました。
就職活動のタイミングで、ようやく「物づくり・ゲーム作りって楽しそうだな」と思い、情報/ゲーム系の企業をいくつか受けました。大学への進学は (全てがそうとは言えないですが) 数字が良ければ進めるような側面もある一方、就職活動となればそうも行かない。人を見られ、能力を見られ、自分の怠惰が見透かされたように感じました (見透かされたように感じるような負い目があったんだと思います) 内定が貰えず、焦って色々な企業を受け、マッチングせず、また落ちて.... 最終的には50社くらいからはお祈りメールを貰ったように思います。
そこから、色々あり、運良くモバイルファクトリーという会社に新卒入社することが出来ました (そこでも最初落ちぶれていましたが、色々変わるきっかけをモバファクの皆さんから頂きました。心から感謝しています)
自分は大人になってから、ようやく夢中になれるものに出会えましたが、ずっと「もっと早くから将来のことを考えておけば良かった」という後悔を抱えていました。「将来のことを考える」というフレーズからは「大人になれ」「勉強しろ」という一種の脅迫めいたニュアンスが感じ取られるかもしれませんが、そうではなく「何が好きで、どういう大人になったら楽しいか想像して、そのために今何が出来るか考えてほしい」ということです。プロのゲームクリエイターになりたい!と考えてセミナーに参加してくださった皆さんにとっては余計なお節介だったかもしれませんが......
なので、今回こういうお話をさせていただく機会を頂けたのは非常に嬉しいことでした。LITALICOの皆さん、ありがとうございました。参加してくださった皆さんもありがとうございました! 少しでも将来のことを考えるきっかけになったのであれば嬉しく思います。
▲今回のトークがきっかけになったのであれば嬉しいという気持ち
さあ、一緒に、ゲームを作りましょう🎮
▲トークでも紹介しましたが、初めてゲームを作る方に見てもらいたい動画