コロナにまつわる“うつ症状”と摂りたい栄養素
こんにちは。ラブテリ/研究解析チームの奈良岡です。
新型コロナウイルスの流行による様々な活動の自粛も長期化しており、心身ともに心身ともに疲労気味。夏こそは元気に過ごしたいところですが、まだまだ感染の不安が払拭できず、悶々とした日々...
これに加えて、梅雨特有のジメジメ感や雨、気圧が低いことも追い討ちをかけ、いまいち気分が優れない、やる気が起きない、何をやっても楽しめない、思考力が落ちる、疲れやすい、眠れないなどの不調を感じている方も多いのではないでしょうか。
この不調は、うつ病の初期症状かもしれません。
うつ病とは?
うつ病は心の風邪ともいわれているように、ストレスを感じることで、誰もが罹る可能性があるものです。なので、うつ病になることは決して特殊なことでもなければ、心が弱いというわけでもありません。
うつ病は一般的に、大きなストレスに直面してから2〜3ヶ月以上経ってから発症します。うつ病を発症するメカニズムはいくつかありますが、その1つとして、 “幸せホルモン”と言われる「セロトニン」の低下が挙げられます。脳には、ある程度のセロトニン貯金があるので、すぐには枯渇しません。しかし、春頃に直面した感染症の不安や心配が続くことで、夏本番を目前にして脳が耐えきれずに「病気」として現れてくる可能性があります。
実際に、コロナ関連の検疫や隔離の措置によって不安を感じる人が増えたり、うつ病と診断される人が増えたことが世界的に報告されています。
セロトニンを増やすには?
セロトニンは、トリプトファンという体内で合成できないタンパク質のもと(必須アミノ酸)が原料です。このトリプトファンが、鉄、葉酸、ビタミンB6、マグネシウムの力を借りてセロトニンに変化します。実は、この変化は腸内で起こり、でき上がったセロトニンが脳に届くことで幸福感を感じることができます。
このように、セロトニンを増やすには、「トリプトファン」「ビタミン」「ミネラル」の3要素が不可欠なのです。トリプトファンは、アーモンド・カシューナッツ・くるみ・小豆・インゲン豆・大豆に多く含まれています。1日に必要なトリプトファンを摂取するには、ナッツ類を10粒、豆類を30粒程食べるようにしましょう。
マグネシウムは、納豆、アーモンド、玄米、ココアなどの茶色い食べ物に特に多く含まれているので、定食屋さんで玄米をチョイスしてみたり、ブレイクタイムにココアを飲むのも手軽な方法です。
ビタミンB6はマグロやカツオなどに多く含まれるので、普段の食事の中に魚をこまめに取り入れたいものですね。これらの魚は良質のタンパク質でもあり、鉄やマグネシウムも豊富なので、セロトニンの合成にもってこいの食材です。
他にも、フルーツではバナナ、キウイフルーツ、イチジクにはトリプトファンとビタミンB6がバランスよく含まれているので、おやつにもオススメです。
さらに、セロトニンはビタミンDと同様に、太陽の光を浴びることで合成が高まるので、朝起きたら窓を開けて朝日を浴びるようにしましょう!
気分の落ち込みの予防や改善のために、食事を整えることはとても大切です。withコロナに負けない身体づくりに、ぜひ取り組んでみて下さいね。
参考資料
・「なんとなく落ち込んだ気分」を和らげる食べ方. (SAKURA・MOOK 66 楽LIFEヘルスシリーズ) ムック – 2016/9/1
・Hossain MM, Sultana A, Purohit N. Mental health outcomes of quarantine and isolation for infection prevention: A systematic umbrella review of the global evidence. Epidemiol Health. 2020 Jun 2:e2020038.
\私が記事を書きました/
奈良岡佑南 博士(医学):大学にて細胞を使った基礎研究から女性アスリートのコンディショニング研究まで、スポーツ・栄養・健康を軸に研究してます。
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