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絵本『のら猫のかみさま』

くすのきしげのり(作)・狩野富貴子(絵) 2019 星の環会

猫だから。
ただそれだけで選んだ絵本です。
#NetGalleyJP さんで読ませていただきました。表紙の画像も、そちらからお借りしました。

この絵本を読めるようになるのは、小学校にあがったぐらいでしょうか。
漢字にはていねいにルビがふってあります。
犬や猫の毛並みの柔らかさを感じる絵は、少し大人びた穏やかな色合い。
動物たちの表情は優しくて、文も絵も、心根の美しい絵本です。
もしかしたら、この意味は大人になってから徐々にわかるものかもしれません。
幼い心に、なにかよきものの種をまく、そんな一冊だと思いました。

もう何年も前の冬。我が家に野良猫の親子が来ていました。
お腹をすかせていて、うちにいた猫の残したものをあげるようになりました。
先代猫が風になると同時に、その親子の子どもたちが我が家の猫になりましたが、母親猫はどこに行ってしまったのか。
絵本の主人公とその母親猫が重なり、彼女を思い出してとても切なくなりました。

教えてくれることはひとつではありません。
彼らは一生懸命に生きているのだということ。
ひもじいなかで必死にで生きている命があるということ。
優しさや幸せはさりげなく、気づいたらあるかもしれないこと。
ありがとうは魔法の言葉であること。。。

絵本は子どものものという思いがあるので、自然に丁寧な言葉で感想を綴りたくなりました。
ですますの言葉遣いが似あう、上品な絵本です。

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