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学園ゴーストバスターズ

三國青葉 2018 小学館文庫

恭夜と冴子。
恭夜は、女性しか生まれない一色家に生まれた初めての男の子。
冴子は、男性しか生まれない望月家に生まれた初めての女の子。

この望月家と一色家は、それぞれ霊を払う力を持っている。
一色家は、霊と話すことができて、説得して成仏していただく。
望月家は、自分の体から刀を取り出すことができて、霊を切って除霊する。
それぞれの家に生まれた二人の特別な子どもたちは、ちょうど、同い年。
中学1年生になったばかりの少年少女たちの冒険の始まりだ。

子どもたちの様子がとても活き活きとしていて、しかもとてもいい子たちなのだ。
彼らの純粋な気持ちがあるからなしえる死者との関りを、目を細めて見ていたくなる。
しかも、これぐらいの年齢だったらこれぐらいのことができるという書き分けや、今時の中学生の生活や勉強についての描写が具体的なのだ。
ありえないような物語を紡ぐ彼らは、どこかに本当にいそうな子どもたちった。

なにか、未練を残したまま死んでいった死者たち。
自分の味方をしてくれたたった1人の女の子の心を救いに来た男の子。
人を鬼に変えてしまう戦争のただ中で死んだ男の子。
そして、母子葛藤を抱えて、祖母に会いたくなった女の子。

ほんとはね、生きている間に解消されていたらよかった悩みやつらさなのだ。
ほんとはね、それをなんとかするお手伝いをするのは大人なんだけどね。
子どもたちの一生懸命な姿がまぶしくて、応援したくなる気持ちでいっぱいになった。

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