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【感想】B級サメ映画の傑作『温泉シャーク』は、『シン・ゴジラ』的壮大さをバカバカしく描き出す
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超B級サメ映画『温泉シャーク』は、良い意味で”メチャクチャ酷い”映画で、そのぶっ飛んだバカバカしさが面白かった
「人に勧めたくなる”酷い”映画」を観に行ったのは、「サメ映画好きの友人」がいたから
ホントに、超絶クソ酷い&面白い映画でした(褒めてるつもりです!) 本作『温泉シャーク』は本当に、「人に話したくなる」「人に勧めたくなる」要素が詰まっているように思います。予算の問題もあるはずですが、それ以上に「酷いなぁ!」ってツッコまれるのを待ってるみたいな描写が多く、「酷い!」というのが褒め言葉になる珍しいタイプの映画だと感じました。
しかも本作は、最終的に映画『シン・ゴジラ』みたいな展開になっていきます。「何言ってんだ?」って感じでしょう。どんな話なのかは是非映画を観てほしいですが、「低予算映画でこんな展開にしたら、そりゃあ”酷く”もなるわ」という感じの物語で、そのバカバカしさには称賛の気分さえ抱かされました。
ただ、ストーリー自体は結構ちゃんと作っていて、随所に「あの描写は、この展開のための伏線だったのか」みたいな要素が出てきます。しかも、「サメを倒すため」という理由でとんでもなく壮大な展開になっていくこともあり、設定やストーリーだけ抜き出したら『シン・ゴジラ』的と言えるんじゃないかと(まあさすがに、人物描写的な部分は弱いですが)。特に物語後半、なかなかの窮地に陥った面々が「なるほどそんな風に状況を打破していくのか!」というやり方で困難を突破していく感じはなかなか面白かったなと思います。
さて、普段の私なら恐らく本作『温泉シャーク』を観ていません。「ドキュメンタリー」や「実話を基にしたフィクション」をメインで観ている私には、ちょっと守備範囲外の作品という感じです。にも拘らず観ようと考えたのには、ある友人の存在が関係しています。彼女は「サメ映画が好き」らしく、しかも「Z級のサメ映画」が大のお気に入りだと言っていました。B級やC級ではなくZ級だそうで、とにかく「凄まじくクオリティの低いサメ映画」が好きなのだそうです。
彼女とは普段そこまで連絡を取り合う感じではないので、「『今話題のサメ映画』を観てきたよ』と連絡するために本作を観てみた」みたいなところはあります。そんな動機で観た映画が思いのほか面白かったのでちょっと得した気分になりました。
さて映画の世界には、「洋画が全体的に面白く感じられるのは、クソみたいな洋画が太平洋を渡って来ないからだ」みたいな話があったりしますが、しかし「サメ映画」に限ってはそうではないようです。その友人も「Z級」と表現するような凄まじく低レベルな「サメ映画」を結構観ているそうで、「サメ映画だけはクソ映画も太平洋を渡ってくる」のだとか。ただ、ネットで調べると、「それでも日本で観られるサメ映画はまだマシな方だ」なんて話もあったりします。
まあそんなわけで、映画『温泉シャーク』の公開情報を目にした時にその友人のことを思い出し、「これは観るしかないだろう」と足を運んだ次第です。ちなみに、私は公開2日目に観に行ったのですが、私が観た回は満員でした。劇場の券売機でチケットを買おうとしていた老夫婦が「えっ? 売り切れなの?」と残念そうに言っていたので間違いありません。また、かなりのロングラン上映だったようです。クラウドファンディングを利用した低予算映画としては、かなり健闘していると言えるのではないでしょうか。
映画『温泉シャーク』の内容紹介
物語の舞台となるのは、「東洋のモナコ」と評される暑海市。現在、市長の万巻貫一が私財を投じて「スパリゾート暑海」という温泉施設を建設中で、観光客のさらなる誘致を目指している。目玉は、日本一だという「高さ120mの露天風呂」。なんとそこからバンジージャンプも楽しめるという。建設には建築用3Dプリンタを導入し、工期の大幅な短縮を目指していた。
しかしその一方で、暑海市には解決すべき喫緊の課題がある。理解しがたい怪事件が多発していたのだ。1つは、サメに食いちぎられたと思われる死体が度々浜辺で発見されること。そしてもう1つは、こちらも度々、温泉宿から宿泊客が消えることである。温泉から姿を消した者たちの服はロッカーに預けられたままになっていた。となれば、「裸のまま宿から姿を消した」ことになる。しかし、周辺の防犯カメラをいくら捜索しても、消えた人物はまったく映っていなかったのだ。
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