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【随想】「楽」は柄のある鈴
常用漢字の由来をまとめた本「常用字解」によると、
「楽」は「柄のある鈴」から来ているとのことだ。
「白」のところが鈴
「白の左右」は糸飾り
「木」は柄
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これを振ることによって鈴を鳴らして神様を「楽」しませようとしたとのこと。
音楽を聴くことは楽しい。
音楽の楽しさの中には、
懐かしさや希望の他にも過去の後悔や未来の不安を表現したものもある。
後者は、決して楽しくない。
ただ、音楽を通じて、この苦しみを味わっているのはひとりじゃないということで癒しや勇気を得ることが出来る。
苦しみの経験でさえも楽しさに変換出来る人間の可塑性は高性能だと考えさせられる。
このように、過去や未来、更には時間を超えたことを、「今の鈴」が聴覚を通じて「楽」しませてくれる音楽は偉大だ。
これは、音楽に限らず、あらゆる「楽しさ」は五感を通じてもたらされる。
「感覚」は「今」である。
岡本太郎さんは
「人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている」といった。
ここまで情熱的にはなかなかなれないが充実した生は、「今」どう生きるかの真剣度に比例するのかもしれない。
今しか生きられないのに「今を生きる」とわざわざ言うのは
知らず知らずのうちに
過去の後悔と未来の不安に囚われるからだ。
「楽」しさは「今」からしかえられない。