【随想】「幸」は手枷(てかせ)の形
常用漢字の由来をまとめた本「常用字解」によると、
「幸」は「手枷」を表した象形文字とのことだ。
「手枷」というと自由を奪うものなのに「幸」とは真逆のような気がする。
「手枷だけの刑罰ですむのは、僥倖(思いがけない幸せ)であり、重い刑罰を免れるというので幸というのであろう」とある。
なんだか、含蓄がある。
幸せというのは人それぞれだが、
この由来から考えると相対的なもののようだ。
古くは、老子の「知足(足ることを知る)」や
渋沢栄一の「蟹穴主義
(蟹穴は体の大きさの穴しか掘らないことから、身の丈にあった生活をしようという考え)」
に通ずる。
偉人の後に私の話で恐縮だが、
適温のシャワーを浴びられることを毎日毎日新鮮に幸せだと思っている。
「本当に良かった」と思う。
これは、私がアトピーだから感じることかもしれない。
皮膚を清潔に保てないことに不安を持っているからだ。
幸せは近くにたくさんある。
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