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闇の伴奏者 ①マンガ雑誌、電車の中で何話読める?

アマゾンプライムで見たドラマの中で、印象に残ったセリフ。
マスターキートンの原作の人がかいた小説をベースにしている。
マンガの編集者が元刑事と組んで殺人事件を解決するミステリーなのだが、漫画の編集のノウハウが散りばめられていて面白い。

「俺らのマンガ雑誌、電車の中で何話読める?」
「45分の通勤時間で5話ぐらいです」

お客の視点で考えるのは重要だなー。
これによって、お客さんがどんなシチュエーションで漫画を読むのか、どのぐらいで掴んで行くのか。
通勤・通学時間で読めるのはどのぐらい読める?
昼飯や晩飯を食いながら見るならどのぐらい読める?
待ち時間や休憩時間、床屋の待ち時間ならどのぐらい読める?
45分で5話なら、巻頭からの5話で、どう読者をつかむか。その5話の構成や順番は?人気順なのか?推し順なのか、種類に変化があった方が良いのか?同じ種類が並んでいた方が良いのか?
客がどこでどのぐらい時間を使うかは、商品を考える上で重要だということを教えてくれるセリフだった。

これに限らず客をプロファイリングして客になりきって商品を手に取るシチュエーションを考えるのは楽しい。

自分が客として欲しい商品を企画するのが一番良いが、それだけでは客層は限られる。客層が15~50の男性だったら、高校生、大学生、新人サラリーマン、中堅サラリーマンのどの層もプロファイリングしてなりきって見れると良い。
そうすれば、欲しがるものの共通項が見えてくる。
そこが見えつつ、自分も欲しい商品だったら売れる確率が高まる。
自分が欲しくなければ作れないから、それも重要なんだよなー。

ドラマでは「昭和の未解決事件」を新たな視点で漫画にするってのにチャレンジしていたが、それを発案した編集長は、小さいころ大好きだったものの中から、大人のマンガ雑誌で想定する読者にも受けると発見した時に熱狂していた。「これだ!」って。

冷静な分析とプロファイリングと自分の中にあるマグマのように噴出する熱が重なった時、すごい脳汁が出て楽しくなっちゃうんだよなー。
そういう仕事ができたらサイコーな気分。
実現するのには、色々大変だけどなー。ドラマ的にも大分大変だった。
そういう視点で観てる人でないと、まったく違った感想を持つだろうし、面白いと感じない人もいるだろうな。とは思う。

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