ヒットストップは最初の快楽装置
前回の快楽装置
前回は、快楽装置の王様「パチンコ」と自作中の「落とし穴ゲーム」についてまとめました。
今回は、快楽を増す仕掛けとしてヒットストップについてまとめます。
ヒットストップの想い出
ヒットストップについて知ったのは就職してからです。
新人研修時に、色んなチームを回ってゲーム作りを教わるのですが、当時は、ファイナルファイト系のベルトフロアやスト2系の対戦格闘が主力商品だったので、ヒットストップは頻繁に出てくる単語でした。
研修先では、アニメや漫画を例に「ヒットした瞬間を強調すると凄い効果がある!俺たちはこれを再現するんだ!!!」と教わりましたが、その時点では、「何か分からんけど凄いんやな」と思いつつ、分からないことだらけの毎日に落ち込む日々でした。
仕事ができない無能な自分に来た最初の仕事が、ダメージを受けても向かってくる超人の仕様作成でした。
スト2のヒットストップの仕組み
「スト2のキャラは、本田やザンギでもダメージを受けたらダメージ状態になって後ろに下がるけど、2~3発食らったくらいでは後ろに下がらないキャラを作れ」って話でした。
ダメージポーズにならないけど、当たっていることは伝えなければならない。ヒットマークや体を光らせるだけだと足りない。攻撃側が一方的にやられてしまう。そこでヒットストップについての理解が必要になりました。
色々入れて師匠に手伝ってもらいできたのがダメージ耐性。
その後も、ヒットストップは、コンボやカウンターなど様々な所で使っていくことになります。
スマブラのヒットストップ仕様
ヒットストップの仕様については、カプコンや任天堂の公式で、スト2やスマブラの解説をしてくれてますので、そちらを見てもらえれば。
ヒットストップの演出と快楽
ヒットストップは目で追えない瞬間ですが、実は脳では数多くの瞬間を繋ぎ合わせて像が浮かぶようになります。サブリミナルも関係あるのかな?
ヒットストップは脳汁トリガー
自分は脳汁を出すトリガーとして使ってます。
野球やボクシングなどでもホームランやKOパンチの瞬間のインパクトは記録に残り、リプレイによって刻まれます。
ゲームの一番カッコイイシーンは、衝突時に起こり、相手の情けないリアクション芸を見れます。殴った時でなく、壁や床にぶっ飛んで叩きつけられるまでがゾクゾクするように使います。
ヒットストップが彩るコンボのリズムで快楽が倍増!
パンパンパパパパパーン。
サガットのアッパーカットが根元から先まで全部入ると気持ちいいですよね。通常技からのコンボで入れるとさらに気持ちいい。
「がんがんばーんきーん」って感じ。だから、「がんがんばーんきーん」て感じ。擬音文化も叩き込まれました。考えるな感じろですね。。。
理論では分からんので体で覚えましたよ。
ヒットストップは音やリズム、光、ヒットマークも重要です。
竜虎の拳の発明
竜虎乱舞もヒットストップなしでは成立しないですね。
このゲームは、超必殺技と乱舞という二大発明をしてます。素晴らしい。
ヴァンパイアセイヴァーの脱線
ヒットストップのリズム要素を発展させて音ゲー技も作りましたね。
泊まり続きのハイテンションだと、こんなことも良くあることです。
代表的なヒットストップゲーム
ファイナルファイト、スト2、スマブラ、モンハン、モンストといったゲームがヒットストップの代表になるかと思いますが、これらのゲームでは、ヒットストップを単なる演出だけでなく、他の遊びに組み合わせることで更に効果を上げています。
モンストのヒットストップ
モンストでは、多段ヒットが起こす快楽を軸に、敵やギミックという障害を配置して無限の快楽サイクルを実現しています。
サムライスピリッツの究極のヒットストップ
尋常でないぐらいの大きなヒットストップを見た時の衝撃は圧巻でした。
刀でズバって切った時に噴水のように飛び散る血のエフェクトと相まって、時代劇で斬られた悪い侍たちがすぐに死なずに死に芸を見せる映像が浮かび頭をガツンと叩かれました。これぞ、ヒットストップの王様です。
ヒットストップで広がる遊び
対戦格闘では、目押しコンボや、ガードキャンセル、パリング、カウンター、ダメージ耐性など、ヒットストップを様々な遊びに転用しています。
単なる演出だけでなく、それ自体を快楽装置として使ったり、遊びのトリガーとして使ったりなど、様々な使い方があり、まだまだ進化しています。
ヒットストップと目押しや必殺技コンボ
ヴァンパイアの目押しコンボ
スト6 パリィ
ヒットストップは最初の快楽発生装置!
ヒットストップは、キャラが何かに接触する時の最初のリアクションであり、トリガーなので、その効果や仕様を理解すれば、ゲームを作る時も遊ぶ時も、より楽しめるので、興味のある方は、ぜひ研究してみてください。
何か知りたいことがあればお気軽に質問ください。
誰かのお役に立てれば幸いです。