俺とゲームコミュニティの変遷②
ブックオフが大型店舗で提供する新しいコミュニティの形の記事について、更に思っちゃったこと。
ゲームでは、どういう風にコミュニティが変化してきたのか?
個人目線でゲームコミュニティの変遷をまとめてみた。
ゲームを卒業した俺がゲーム業界へ
前回は、少年時代のゲームコミュニティの変遷について振り返った。
少年時代は、「ゲーセン」がコミュニティの中心だった。
今回は、その続き「ゲーム業界編」。
ゲームを卒業した俺が、ゲームの作り手になった時、どういう変化があったかをコミュニティの変遷とともに振り返る。
アイドルみたいだが、友達の試験についていったら俺だけ受かった。
そして、友達は皆、推薦でNECとか富士通とか三菱重工とか行った。
前年までの就活活動では、交通費と食費が出たバブル時代の売り手市場。
バブルが崩壊した後でも、ゲーム業界だけバブっていて新幹線代が出た。
俺には、行けば金がもらえる点は大きな魅力だった。
ゲーム業界が学歴を重視しはじめた時代。
だが、無能すぎて、俺を採用した面接官の責任問題になったのは、また、別の話。( ;∀;)
①ゲーセンの2極化「ミニテーマパークと昔ながらのゲーセン」
映画やドラマやテレビなどのエンタメが作りたかった。
運命のいたづらで、まだ、世間的な評価がオタキモな感じだったゲーム会社に就職。
同期全員がRPG作りたくてコンシューマ志望だった中、俺だけギャラクシアン3のようなアトラクション的なエンタメを作りたくてアーケードに手をあげたが、世は格ゲー全盛期。
理想と現実は違った。
②ゲーセン新人時代「野郎どもの喧嘩コミュニティ」
ゲーセンは、当時2種類あった。
清潔で男女が来やすく明るい感じの都会のオシャレスポットと、ガチ勢が集う昔ながらの町のゲーセン。
俺らが商売するのは、ガチな方。
格ゲーで熱くなった野郎が集う場所でのロケテスト。
徹夜明けのフラフラで、ロケテストに行った同期が「シャキッとせい」と、ゲーセンのオーナーに殴られていた時代。
会社も体育会系の怒号飛び交う殺伐とした感じで、ノウキンな俺でも、みんな冷静に仲良くしたらいいのにと思いながらやってた。
体育会系の筋肉カーストで、筋トレルームがある異次元での開発。
世間のゲーム業界に対するキモオタ評価に怒りがあっただろうし、24時間働くのが当たり前で、常にストレスマックス。
「作り手が楽しく作らなきゃ客にバレる」という哲学が生まれたのも、その時だ。
会社で寝泊まりしながら、吉野家の朝定食を食べに行くのが唯一の楽しみで「楽しくなくなったら試合終了ですよ」と心に誓ったもんだ。
いつ試合終了になっても良いように、辞表を懐に入れていたし、何度も出したり引っ込めたりしていた。
③ゲーセン中堅時代「ゲーセンという社交場を作る」
ただ、その時、確かに俺たちは「ゲーセンという社交場」を作っていた。
皆が熱狂して観客が筐体を囲んで、凄い対戦に一喜一憂するのを見ると嬉しくなった。
良い場所だなー。ゲーセン。
ゲームは見る物であり、作る物であり、「社交場のコミュニティツール」だと思った。
夜中にバイクで走りながら、誰もいない港で煙草をふかして自分に酔っていた。そこそこ仕事に慣れて、プロジェクト任されて、夜明けまで仕事して、ゲームが売れてカッケー。イケてる。
次から次へ炎上したプロジェクトを何とかする役を師匠から引き継いで、少し未来が閉じた感じがしたが、皆におだてられ可愛がられて良い気分になっていた。
だが、その直後、3Dの技術革新が、俺らの商売を破壊する。
④家でもできる「3D格闘バーチャファイター登場」
ゲーセンでの場所づくりに手ごたえを感じた瞬間。
彗星のように現れた3D革命で、商売がひっくり返る。
しかも、サターンで家で同程度のものができる。
いや、まだ、バーチャは決定打ではなかった。
斬新だが、まだ、ポリゴンではできないアニメ表現があった。
⑤家がゲーセンに!?「PS互換機版で作られた鉄拳2の破壊」
鉄拳1もPSでできた。しかし、バーチャの2番煎じ感があったし、見た目が凄すぎた。
しかし、鉄拳2は、見た目も良く、キャラ設定や技がぶっ飛んでいて、時限式キャラ解放などの色んなぶっ飛んだ企画やシステムが盛り込まれ、2D表現を超えようとしていた。2Dがオワコンになるキッカケになる。
だが、一番の革命は、PS互角基盤で作ったことで、PS2ですぐ遊べるようになったことだ。これでゲーセンがとどめをさされた。
PS2がもたらしたゲーセンの終焉
荒れたゲーセン時代は、バーチャファイターの革新で2Dが時代遅れになり、PS2とサターンで家でアーケードゲームができるようになったことで、ゲーセンも2Dゲームも、冬の時代が訪れた。
PS2がDVDを搭載したことで、映画館も終焉を迎え、レンタルショップもソニーもDVDで黄金期を迎える。
ソニーは色んな所からビジネスを奪い、新しい場所を提供し、コミュニティを創造していく。その象徴がPS2であり、遺産として残ることになった。
ソニーは、常に、違う次元から、別の業界を見て、ウォークマンやプレイステイション、PSP、アイボ、映画、アニメなどを生み出していく。
商売に置いてのコミュニティの重要性も見方の一つで、全部ひっくり返される。全部ひっくり返す人は、別次元から見てるから、その業界に元から居る人は、何をされているのか分からない。(後から巨大企業がパクるまでは…)
アップルやGoogleやアマゾン、イーロンマスクなどなどは、異次元から見て全部ひっくり返す。見方が分かれば、誰でも見れるが、成功するかは運次第。まずは、異次元からの見方の分析だ。
アップルやGoogleはソニーなどを分析して独自の視点を手に入れた。
⑥ゲーセン革命期「プリクラとUFOキャッチャーでギャル時代」
普通のゲームは家でやれる時代になり、「男たちのゲーセン時代」から、プリクラとUFOキャッチャーの「ギャルたちのアーケード時代」に移る。
未来を閉ざされ傷ついた俺もカリフォルニアへ旅立つ。
モールやビーチや映画館、ボーリング場でキラキラな時代が始まろうとしていることをまだ知らない。
⑦巨大ショッピングモール 「大きなコミュニティスポット」
米国には、ショッピングモール、ボーリング、ローラーブレード、ビーチ、映画館、メジャーリーグ、ラスベガスなどなど、色んなコミュニティスポットがあった。
英語ができないのに、米国に転勤してしまった俺は、孤独上等と会社と家を往復するだけの生活を送っていたが、日本人の友達ができはじめると、キラキラした生活が始まった。
平日、遊びに行くのは、映画館付きの巨大なショッピングモール。
コストコやプライスクラブなどの業務用の巨大スーパーやIKEAも流行り出して、良く通った。
日本も、大店法の成立により、郊外や駅直結のモールが作られ、商店街や小売店が破壊され町の様子が一変していく。
⑧家がデートスポットへ「バイオ2が変えたゲーム業界の印象」
バイオハザード2の大ヒットが、ゲーム業界で働く男子への女子の抵抗を下げてくれたおかげで、最高の日々を送る。
お化け屋敷やゾンビ映画を家で体験できる。
「怖いからバイオハザード2一緒にやってよ」というお誘い。
素晴らしいコンセプトですね。本当に最高のパッケージ化だ!!!
ありがとう、バイオハザード!
ありがとうカプコン!
女子は昇竜拳よりゾンビが好きなのだ!!!
という感じで、殺伐としたゲーセンから家へ、ゲームの集いの場は移った。
しかし、ここから、ゲームのみならず、世界中を革新する「WEB2.0」の大革命が起きた。
WEB2.0革命でインターネット時代へ
インターネットがダイヤルアップから、ADSL、ISDNと変わっていき、従量制から月固定料金で大きなデータを送受信しやすくなる。
文字だけでなく「画像データ」を送受信できるようになった。
⑨集いの場はウェブへ「SNS革命」
検索エンジンとしてYahooが登場し、重いYahooに代わり、軽い検索エンジンGoogleが登場。画像付きのブログやニュースが出て、フェイスブック、ツイッターなど色んなコミュニケーションツール、Youtubeなどの「SNS」が登場する。
日本では2chが定着し、ミクシィが登場し、ライブドアやサイバーエージェントなどのIT長者が話題に上り始めたころ。
とにかく、コミュニケートは、インターネットの革新とともに、急速に世界を一つにした。世界につながるコミュニティが簡単に参加できた。
ゲーム業界も、このIT革命の波にさらされる。
更に続く技術革新で、コミュニティの概念も全てがひっくり返る
Eコマースやスマホの登場で、世界の価値観がひっくり返り、我が世の春を謳歌した、巨大ショッピングモールも、アーケードも、コンシューマも、レンタルビデオも、運送業も、会議も、会社への通勤も、外食産業も、全部ひっくり返る。
③へ続く