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夏至の夜 月光の下で


さいきん裸足で 
土や 草や 砂の上を歩いていない。

いったい
最後に

街の 人工物に囲まれた空間によどみたゆたう
臭気しゅうきめいた空気ではなく、

『自然』とじかに触れ合う場所に
身を置いて、

樹木や
波濤はとうや 
大地からの気を ふんだんに含んだ
清澄せいちょうな空気を呼吸したり

自分の肌を
直接 地球と触れさせたのは、
いつだったろう?……  
(*)

人がまだ 牧歌ぼっか的な数学と
無邪気にたわむれていた時代はよかった。

やがて
数学それが持つ 神秘の魅力の先に無限に広がる、
後に そう名付けた
“物理化学” や 
“科学技術” の面白さに開眼し、

それらへの探求を 飽くなく楽しむ〈知識欲〉に
取り憑かれて以来、

私たちの生活の場所は
加速度的に
自然から遠ざかってきた。

人の知的好奇心は
とどまることなく前進を続ける。

ひとつの結果を得ても 
別の新たな 興味の対象を探す。

まるで
いちど動き始めたら 誰にもめ得ぬ
永久機関のように。

その永久機関の 働きの結果を
発展、成長と呼ぶならば
人はおおむね 科学への好奇心と暮らすことで 
つねに繁栄を享受してきた。


変化し続ける 
ヒトの生活、
意識、
在りよう


けれどもなぜか
二十一世紀のここへ来て、

永久機関を止め得ないにも関わらず
「我々はほんとうに 行くべき道を
正しく歩んでいるのか…?」と
いぶかる想いにとらわれる
人の一群も現れた。

あるいは これは
自らえらびとった道ではないのではないか? 
と。

迷い込んだのか、
ハメられたのか、
その議論は 今は保留するけど

YouTubeで
非常におもしろい考察をする人がいて、
その内容に 興味が引かれた。

月に関する考察。

イタリアで一時期
「髪を切るなら、新月の日に切るといいよ」
「具合が悪いの?
この植物の精油を、少しつけてごらん」
などと言う人と
暮らしていたことがあって

そういった視点の世界の 
居心地の良さと、

それまでの生活との
微妙にズレていく 意識の違和感は、

自分にとっては
新しい体験であり、新鮮な感覚だった。


知識として当たり前に知っていたはずのこと、
疑問を持ったことすらない事柄について、

〈思いもかけぬ角度ベクトルから見ること〉
を提示されると
知的好奇心が刺激され、おもしろくて 血が騒ぐ。


ご紹介する動画の内容は、

この国のこよみは 和暦から
今はグレゴリオ暦に変わっていて、
日付の「数字」だけの「その日」に
昔の行事を行なうのは、
実は意味がない。

日本のお盆だけでなく、世界の他の国々でも
夏の満月の日に 
死者との交流の祭事があるのはなぜか?

それについて、月の特性をもとにした考察を
聞かせてくださっています。

(2023年発表のもの)


ほぼ同じ内容で今年のもの
https://youtu.be/Q2hk-nDvyPs?si=XJC4p00N8tf2oUYz

さとうみつろうさんのチャンネル
https://www.youtube.com/@mitsu-low/videos


このように「なるほど、言われてみれば…」と、
かなっていて 
すとんとに落ちる話を聴くのは、
私にとっては とても楽しい。

伝統として 先祖たちが
はるかな昔から
おこなってきたことの数々

それらもたしかに科学であるのに、

太古のものほど 
その土地に住む その人々にとっては
現代の解釈に比べて おそらくずっと
〈理に適い〉〈正確なもの〉であるのに、

一度でも その科学的な信憑性を疑い、
その本質から離れたり 
近現代に沿うよう 改変してしまうと、
元の姿に還るのが難しくなる。

自然のサイクルや 
植物の力に
もっと自分自身を寄せて 毎日を送る…

その生活に 好意も興味もあったのに
けっきょく 生き方を変えるほどには
私はいたれなかったけど、

今 もう一度
少しだけでも意識して、
 
月や 太陽や
季節のめぐりの時どきの ちいさな名前節気たちを
心に留める生活に、
立ちかえってみたい気がした。


一年をかけて 軌道上を公転するこの星では
夏至をさかいに 
エネルギーが 陰から陽へと転じ、

夏至のあいだは 
地球では
太陽のちからが 一番強い時季になる。

二十四ある各節気せっきは その “初日” を示し、
次の節気までの期間を その名前で呼ぶらしい。

今年は昨日、六月二十一日から 
〈夏至〉の次節に入った。
(七月六日の小暑まで続く)

この時期になにか殊更ことさら
したい欲求があるわけではないけれど

ここ何年もずっと 昏々こんこんと眠っていた意識が 
ようやく目覚め

明るく輝く 太陽の光をやっと
恋しがるようになれた気がするから

ヒトとして もっと
自然と和解し、調和し、
より多くの時間を 自然と過ごしたいと
昨夜 
夏至の日に思った。



今宵は満月。



(*)重要な注意喚起

裸足で大地に触れる、ということを
私はイタリアで、イタリア人の友人達と経験したのですが
日本では海辺以外では、裸足になったことがありません。

あとむくんさんがコメントで、
重要で、適切なご指摘を寄せてくださっています。

みなさん、ぜひコメント欄をお読みください。
そして
自然の中には 怖い微生物もいることを
覚えておいてください!

裸足、素手で自然と触れ合うのには
危険が伴うこともあります。


(*)2つめ
お詫び。

実を言うと
いま私が住んでいるのは田舎なので、
少し歩けばいくらでも
自然の中に入って行けたりします。

なので 自分のことだけ言うと
自然は身近にあり、
わりときれいな空気も ふだん呼吸できています。

この記事の冒頭では、
かつての都会暮らしを思い出しつつ
そして
都会で読んでくださっている方々のことを思って
ちょこぉっ…と、文章に〈演出〉を入れて
「いつだったろう?」なんて書いちゃいました💦

ゴメンなさい⭐︎🙇‍♀️
(「てへぺろ」って、こういう時に使うの?😅)



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Luriha
書いたものに対するみなさまからの評価として、謹んで拝受致します。 わりと真面目に日々の食事とワイン代・・・ 美味しいワイン、どうもありがとうございます♡