ユジャ・ワン×ロンドン交響楽団を聴く
年初にユジャ・ワンのピアノを聴いて以来、もう一度彼女の演奏を聴きたいなと思っていたところ、今度はロンドン交響楽団のシーズンオープニングでショパンを演奏するというのでチケットを取って行ってきた。
仕事を強制的に終わらせて向かった先は、ロンドン東部にあるBarbican Centre。ロンドン交響楽団とBBC交響楽団の本拠地であるらしい。
ロンドンで、がっつりとオーケストラの演奏を聴くのは初めて。客席をざっと見渡したところ、シニア層が半数以上、仕事帰りの人々や学生らしきグループも。
会場がほぼ満席になり、定刻を数分過ぎたところで開演。
カロル・シマノフスキの 演奏会用序曲、初めて聴いたのだが、まさにオーケストラの幕開けというパワフルさがあり、一気に引き込まれた。
私はクラシックオーケストラの視聴経験が浅く、指揮者や交響楽団による違いの聴き分けが大してできないのだがそれでも、なんと質の高い演奏だ、ということがわかる。
続いてスタインウェイの美しいコンサートグランドがステージセンターに設置され、いよいよユジャ・ワンの登場。客席からの歓声がすごい。衣装は定番の超ミニスカートではなく、ダークなロングドレスで、客層の雰囲気に合っていた。
フレデリック・ショパンのピアノ協奏曲第2番、ためてためてピアノが奏でられ始めたら客席に注目が一気に彼女に向かう。繊細ながら艷やかな音だなぁとうっとり聴いていたら、夢うつつになっていた。あれ、第2番てこんな感じの曲だっけと思いながら。
ユジャ・ワンの予定されていた演奏はショパンのみ。しかし、アンコールで3曲も弾いてくれた。なんの曲を弾いたのかは、インスタグラムのどなたかの投稿で知る。
ユジャ・ワンがステージから去り休憩を挟んだ最後の曲目は、グスタフ・マーラーの交響曲第1番「巨人」。
これまた私は初めてフルで聴くので、「え、1時間近くもあるの!?」と覚悟していたところ、楽章ごとの曲調、楽器それぞれのメロディや全体のストーリーを観察しながら聴くのが楽しくて、瞬く間に時間が過ぎた。
集中して聴くとこんなに楽しいのだな、という体験ができたと同時に、聴き込むのに夢中でどっと疲れた。翌日までマーラーの交響曲が頭の中に残っていたほど。もとはユジャ・ワン目当てで行ったコンサートだったが、想像以上の素晴らしい体験をさせてもらった。
ちなみに、アントニオ・パッパーノ指揮×ロンドン交響楽団×ユジャ・ワンの公演が9月末に日本でも開催されるらしい。できることなら私ももう一度聴きたい!
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